ご隠居の幸せな人生

ストームブリンガー GM:油蝉
 PCたちは法の国ヴィルミールの軍に仕える精鋭部隊。混沌の国パンタンが近々大規模な侵攻を行うという情報を得たので、その国に潜入して重要人物を攫ってこいという任務を渡される。まあ、ぶっちゃけ死にに行くようなものなので、多額の報酬を先渡しされる。

 ここで、PCの一人サイマール(DAWN)は異彩を放っていた。元商人なのだが今は息子夫婦に店を任せ、自分は隠居司祭として軍に仕えている。しかも初孫が生まれたばかり。ちなみに本人身体が弱く、たまに血を吐く事がある(←HP4)。
「孫を守るため…この国を守るためならばどんな任務でもやりとげましょう。いえ、お金は要りませんよ」と、報酬を断った。

 そんなこんなで、PCたちはボートでパンタンに潜入。色々あったものの、なんと侵攻の要となっていた魔術師を味方に引き入れることに成功。そして、奇跡の凱旋を成し遂げた。
 多額の報酬と英雄としての地位を得たPC達。引退するものもあり、まだまだ混沌と戦う道を選ぶものありのなか、サイマール(DAWN)の選んだエンディングは。

 サイマールは英雄として銅像を建てられる。さらに、報酬で孤児院やら病院やら福祉事業を始め、ますます名声が高まっていく。
 息子夫婦や孫に囲まれ、幸せに暮らすサイマール(DAWN)は突然「かはっ」と血を吐いて倒れる。「おじいちゃん!」と孫や息子達が駆け寄る中、「お前達を守ることができてよかった。町にも法が満たされていく。あぁ、儂の見たかった町の光が見える……ぐふっ」
 こうして、町の英雄サイマールの人生は閉じたのであった。

#勝利した状態のエンディングで自ら死を選んだPCは初めて見ました。でも、おかげで周りのプレイヤーは大爆笑。楽しませてもらいました。
感想 > ストームブリンガー | comments (1)

Comments

油蝉 | 2005/02/26 10:22
  いやぁ、見事なキャラでしたよ。上述の文章だとただの好々爺ですが、以下のような落差も兼ね備えたナイスミドル(40)。
その1シーンをちょっと再現してみました。


 戦闘でパン・タン側の傭兵達をのしてから、神父のような態度で彼らに接するサイマール。
 サイマール「罪を告白し、悔い改めなさい。さればお前たちは救われましょう」

命だけは助かるんなら、と必死の告白が始まる。

 相手の傭兵達「俺が初めて人を手にかけたのは12歳のときで…」

 それからしばらく懺悔が行われ、聞き終ったサイマールの言葉

サイマール「よく分かりました。あなた達はその重き罪に応じ、まず裁きを受けねばなりません」

 その言下にサラマンダーを召喚され、消し炭へと変えられた傭兵達。
 初孫に向けるような愛情は、彼らには一滴も与えられなかったのだった。 
 

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