魔物さんたちの、どらごんせんべつ

Dungeon World GM:K

OF1日目は統一卓で盛り上がるのですが,当人は裏卓という,統一卓の時間に行われる別の卓にいました。
Dungeon Worldは8つの職業(バード・クレリック・ドルイド・ファイター・パラディン・レンジャー・シーフ・ウィザード)の内から1つを選び,その職業のシートに書かれた属性(善・中立・悪・混沌)・種族(人間・エルフ・ハーフリング等)を1つずつ,ムーヴと呼ばれるスキルをレベルに合わせただけ取り,あとは設定付けと能力値の割り振りだけでキャラクターができるシステムです。
…が,今回は種族を「魔物」という追加種族にし,棲家としていた洞窟が何者かにやられたので,洞窟の宝の「竜の卵」を持って逃げ出し,復讐の時を待ち続ける,そんな設定で遊びました。

以下,ネタバレ等を含みます。本人から正式に掲載許可を取っていますが,見たくない方はご注意ください。

こうして出来上がったキャラクターの面々というと,権力を持つものが秘密にしていることをやたらと知っているシーフのコボルト(シーフというと盗賊のイメージが強いのですが,このシステムでは盗賊というより毒使いというイメージが強いです),洞窟のボスであるサイクロプスの養子になっているファイターのオーク(手に持っているものは斧でした),都では名を馳せていたがスケルトンとなったバード(この世界のスケルトンは死してなお生への執着が強いと生まれるそうです)。

そして,竜の卵を持って,冬に差し掛かる時期の下水道を伝って逃げることに。スケルトンの身では暑さ寒さは関係ないためにいいのだが,他の者は冷たい水で風邪をひくという結果に。まあ仕方がないのだが…。
そうこうして洞窟から逃げ延びた一行。竜の卵にはどうやら魔力が十分に注ぎ込まれておらず,そのために孵化していないことがわかると,魔力の結節点を探す旅に。スケルトンがかつて生きていた地方ということもあり,様々な情報が引き出されていく。

エルフとオークの争う森の奥には古い神殿があり,そこに魔力の結節点がある。
そこでは温厚なるグリーンドラゴンが生まれるという。
「温厚じゃ嫌だな」とプレイヤーの一言。
そして,却下。

郊外にそびえたつ雷に囲まれた魔術師の塔。そこにも魔力の結節点がある。
そこでは知恵深きブルードラゴンが生まれるという。
「なんか謎かけとかしていそうだし嫌だー」
そして,却下。

都の聖なる神殿。ここに集いし魔力は都のために使われるという。
そこではホワイトドラゴンが生まれるという。(字の色を白にすると何が書かれているか分からなくなるため色を変えていません。)
「魔物が都の中心に行くとか無理」の一言で却下。

今や人の足跡無き死者の城。そこも魔力の結節点だ。
そこでは破壊を好むブラックドラゴンが生まれるという。

人踏み入れぬ火山の奥深く。その火山は今ではコボルトが入口を守り,結節点に進む者はサラマンダーの炎に灰1つ残らず消え去るという。
そこでは世界を紅蓮の炎で包むレッドドラゴンが生まれるという。

…ここまでの議論を見てわかっていただけるだろうが,今回のPC達は皆破壊衝動に駆られていたのである。
そこで,この2つのうちどちらを選ぶか考えたわけであるが…
コボルトという立派なものがパーティーにいるという理由によりレッドドラゴンを狙いに行くことになったのである。

その後,パーティーの純血オークが人間とのハーフであったオーク(純血の物からしたら吐き気のするような種族)と結婚させられたり,都の貴族騎士団を打ち滅ぼし,仲良し薬という名の毒薬によってコボルトと都の王が溺愛している娘とが友人になったり,都から火山に進むために必要な盾を得るべく,都の者と交渉して兵士1名を借りたり色々あったわけだが,無事にレッドドラゴンは孵ったのである。
そして,都は紅蓮の炎に包まれ,ここにレッドドラゴンと魔物たちが統治する地が新たに生まれたのであった。めでたしめでたし。

ちなみにスケルトンは「ドラゴン誕生の瞬間を歌にする!」という始末。
今という刹那を楽しく過ごす,そんな正当な魔物生活を満喫していたのであった。
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