2001年度後期後半キャンペーン

「StarlightRhapsody」



超光速航法

人類が他の星系にまで生活の範囲を広げるためには、超光速航法が必要不可欠であった。

アインシュタインの相対性理論においては、質量を有する物体は光速を越えることが出来ないとされている。しかし、彼の理論では、慣性系自体が光速を越えることまでは否定していない。そこで、無慣性状態の“場”を作りだし、宇宙船ごと周りの空間を移動させることで超光速を達成する方法が議論されるようになった。

研究が進むにつれ、空間を移動させるには膨大なエネルギーが必要であることがわかった。そして、そのための動力をどこから得るのかが問題となった。そこで、カシミール力の存在が知られていることから真空からエネルギーを取り出す技術に焦点を当てた研究が始まった。何十年にわたって研究された結果、真空から巨大なエネルギーを引き出す動力発生機関、通称「真空機関(エンジン)」の開発に至った。この機関は真空のポテンシャルの差からエネルギーを引き出す仕組みになっている。このいわば無尽蔵に存在するエネルギーを利用することで、人類は超光速航法を獲得したのだ。

また、この真空エンジンは通信面でも別の進化をもたらした。ニュートリノを使った亜光速通信の実用化である。ニュートリノは物質の透過力の強いため、検出されにくい特徴を持つ。そのニュートリノをトラップするフィールド形成のために、真空エンジンが供給するエネルギーが利用できるからである。これにより遠方まで送信でき、さらに傍受されにくい通信技術が確立され、現在では軍隊や公安などで非常に重宝されている。





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