第4話:ジンの秘密が明らかに。
雪山では遭難の危機の巻」

 PC達は港湾都市ルフトに到着した。ルフトはマグラの生まれ故郷でもあり、マグラは旧友に会いに行くことに。

 ヨセフは何でも屋ギルドで、2週間ほど前からルフト−ローゼン間で謎の空中戦艦が目撃されているという情報を得た。近寄らなければ攻撃される事はないが、死者も出ているらしい。

 一方キールはアトラス支部に、海上の調査状況を聞きに行く。どうやら、セラフィーが行こうとしている島をアトラスでも発見し、近々本格的な調査隊を送るところらしい。
 調査隊には同行したいところだが、ひとまずはローゼンを目指さなくてはならない。そこでアトラスの学長から降魔調査に関する全権委任状を利用し、自分たちが戻ってくるまで調査を延期するように要請する。

 アトラスからの帰り道、キールは一族の証である腕輪をした男をみかける。それは叔父のドレイク=ディセオであった。
 こっそり後を付けると、豪邸の中へと入っていく。街で聞いて回ると、なかなかの豪商で街の有力者らしいということが分かった。

 PC達は、謎の空中戦艦に対抗するべく、車に銛撃ち銃を取り付けることとなった。しかし、専門家のはずのセラフィーと、作業判定値の高いジンが立て続けにファンブル(二人とも冒険心7)。
 銛撃ち銃の取り付け部を壊してしまうが溢れる資金でもう1つ購入し、なんとかヨセフが取り付けに成功する。


 色々と準備を整えローゼンに向かうと、案の定、空中戦艦に遭遇する。荒野の向こうから陽炎とともに現れたその船に、キールは見覚えがあった。それは、幼い頃に自分の家族を殺された時に見たものとほぼ同じものだった。
 しかし、ヨセフとキールは学術的好奇心の方が勝り、乗り込みを試みることにする。
 戦艦に接近し、向こうからの攻撃(ビーム兵器)をなんとかかわすが、銛撃ち銃を撃ち込んだところで、誰も高度30mの戦艦までロープを上る技能がないことが判明し、あきらめる。PC達が離脱すると、戦艦も追ってくる事はなく、消えていった。

 そんなこんなで雪の街ローゼンにたどり着いたPC達は、ここからスロース山脈にあるという遺跡を目指すため、防寒具などを整えた。雪道では旅人に幻覚を見せて惑わせるフォリキュラリスという化け物が出るらしい。

 慣れない雪山に苦労しつつ、(この世界ではローゼン以外では雪は降らない)山道を登っていくと、いつのまにか頭だけが肥大した人型の化け物に囲まれていた。フォリキュラリスである。
 事前に街で情報を得ていた為、全員の体をロープで繋いでいたが、ジン、セラフィー、マグラの三人はフォリキュラリスの幻覚にかかってしまう。

 マグラの目の前には、とても美味しそうな雪ウサギがいた。ぴょんぴょん跳ねていくウサギを、マグラは目を輝かせながら追いかけ、炎の魔法で調理しようと呪文の詠唱に入った。

 セラフィーの前では、ジンとアリシアが手を取り合って歩いていた。セラフィーは一生懸命に追いかけるが、転んでしまい、どんどん二人から引き離されていってしまう。

 そしてジンは白い世界に立っていた。すると、3つの方向から「助けて!」と悲鳴が聞こえる。一つはセラフィーの、もう一つはアリシアの、最後はミリアの声だった。だれを助けに行くか迷い、立ちすくむジン。悲鳴はさらに大きくなる。そしてジンは叫んで走り出した。
「セラフィー!」

 その瞬間、ジンはキールに頬をたたかれ、正気を取り戻す。無事だったヨセフはショットガンでフォリキュラリスと応戦し、キールは戦力になるジンを正気に戻そうとしていたのだ。ジンはヨセフに加勢し、キールはマグラを正気に戻そうとする。
 そしてアリシアもセラフィーの頬を叩いて正気に戻そうとしていた。正気を取り戻したセラフィーは、幻覚からまだ抜けきっていないのか、つい「アリシアのバカ!」と殴り返してしまう。

 ともあれ、全員正気を取り戻せば、もはや戦闘は手慣れたものである。半数のフォリキュラリスを倒した時点で残りは逃げていった。マグラはフォリキュラリスの死体を新たな食材として確保したのだった。

 PC達は遺跡の入り口にたどり着いた。まず赤い光線がPC達をスキャンしていく。ビビりながらも、アリシアの案内で中へと進んでいくと、やがて中央制御室にやってきた。すると、ディスプレイに若い男が現れる。
「よく帰ってきた、ジン、アリシア。」

 男はマリオと名乗った。マリオによると、この遺跡は千年前の降魔戦争時代の対降魔総合研究所だったらしい。
 千年前、魔術師達が大いなる力を得ようとして、黒の月を招来してしまい、黒の月の欠片が大地に落ち、大クレーターを形成した。そしてそこから降魔が溢れ、降魔戦争が始まった。
 人間は三眼族とも協力し、なんとか降魔に対抗する方法を探していた。それが、今まで訪れた遺跡達である。

 降魔戦争終結後も再び降魔が復活した時に備えて用意されていたのが、ジンやアリシア達「管理者」である。二人より50年ほど前に活動を開始した個体はケイオス=ライマンといい、現在では法教会のNo2の座にあるという。
 また、道中遭遇した空中戦艦も当時の産物であり、どうやらプログラムが暴走しているらしいという事が分かった。
 一方、人類未到の地であるバルド半島にも遺跡があり、そこは対降魔最終兵器の研究所だという。そして、ジンはその最終兵器のパイロットなのだという。

 《宵闇の口》が降魔の復活を進めている今、対降魔も進めなくてはならない。対降魔最終兵器(巨大ロボ)の動力にはクリスタルが必要であり、それを手に入れなければならない。
 マリオは移動手段として、小型飛空艇を貸してくれる事になった。これも動力はクリスタルである。ヨセフはクリスタルの細工ものを持っていたので、とりあえずそれを燃料にしてクリスタルの産地、フォンティーヌに向かう事にする。

 一晩遺跡に泊まって、セラフィーは飛空艇の操縦法を叩き込んだ。マグラはフォリキュラリスの死体で料理を作ったが、本人以外は誰も口にすることはなかった。

 ここで、アリシアは使命を終えたので遺跡に残る事となった。
 ※GM注:肉親としての愛情が勝ってきたのでアリシアは戦線離脱。ミリアとヒロイン交代と相成りました。

 PC達がひとまず補給しようと麓のローゼンに立ち寄ると、そこにはマイトレイアスとミリアがいた。
「おまえ達に会いたいっていう人がいてな。探してきてくれと頼まれたんだ。」
 依頼主は法教会のケイオスだという。しかしPC達はすでにマリオを通じてケイオスに接触していたのでその必要はないと伝える。

 そのとき南方の空から、黒い集団が飛んでやって来た。《宵闇の口》である。
 エピニカ襲撃に比べれば数は少なかったが、降魔化した教団員にマグラやヨセフ、さらにはキールまでもが傷つけられる。(ジンとセラフィーは離れた場所で雑魚と戦闘中)

 マグラは詠唱時間のかかる魔術ではなく弓で戦っていた。しかし、ダメージが低くなかなか有効打を与えられない。ここで、難易度を上げて頭をねらうことにする。

マグラ(レーズン)「ここは自分のダイス目を信じて、45%の2分の1判定で行きます!」
ヨセフ(K)「待て。お前のダイス目を信じたら、ファンブルするんじゃないのか?」
マグラ(レーズン)「……しました。」
※さすがレーズン(笑)期待に応えてくれる男です。

 その後さらに傷を負うも、なんとか《宵闇の口》を撃退する。ここで、マグラはリーダー格の男の死体を探ろうとする。ヨセフがそれを止め、ひとまず応急手当を行うが、1点しか回復しなかった。
 そして、宣言通りリーダーの死体に近づくマグラ。その瞬間、死体は爆発し、マグラはさらに傷を負って残りHPが1点になったのだった。
  #やっててよかった応急手当。
  #ちなみに初対面の時もエピニカ戦でも残された宵闇の口の死体は全部爆発していた。


 落ち着いたPC達は補給その他を済ませ、フォンティーヌに向かうことに。そのとき、マイトがPC達に同行したいと言い出した。
「なに、こいつ(ミリア)がジンに借りを作ったままだと気持ち悪いから返したいって言っててな。」
「ボクはそんな事言ってない。」
 そんなわけで、何故かマイトとミリアも連れて、飛空艇でフォンティーヌへと向かうことになったのであった。

第5話へつづく



BACK