第6話:親娘、感動の対面。
大降魔が復活してエピニカは大混乱の巻

 飛空艇に乗ってルフトの北の海上に浮かぶ三眼族の島にやってきたPC達は、高さ数十メートルの木々が生い茂る密林を進み、森の中央の辺りに三眼族の住処らしき遺跡の入り口を見つけた。一応、人の家なのでノックをしてしばらく待つが返事はない。

 仕方ないのでいつものようにセラフィーが扉を開けて皆で入っていくと、すぐに奥のほうから三眼の男たちが駆けてきて「何者だ!」とSFチックな銃を向けてきた。
 セラフィーが三眼族の血を引いていることや、対降魔戦に協力が必要であることを言うPC達に対し、男たちは「知らん!帰れ!人間など信用できん!」の繰り返しでまともに話をしようとしない。

 すったもんだしていると、奥のほうから一人の三眼女性が「セラフィーヌ!セラフィーヌなの!?」と叫びながら駆けてきた。クリスティーヌと名乗るその女性は何とセラフィーの母親だったのだ。
 再会を果たし、ゆっくり話をしましょうとPC達を中に入れようとするクリスティーヌだが、やはり男たちは通そうとしない。

 そこにさらに現れた三眼族の長老のおかげで、PC達は三眼族のコロニーに入ることが許された。血気盛んな三眼族の若手筆頭のアデル(女性)を説得し、昔の迫害のことはとりあえず忘れて、降魔という脅威のために協力することになった。

 一方、感動の再開を果たしたセラフィーは母クリスティーヌから自分の生い立ちを聞いていた。
 人間と共に生活していたクリスティーヌはある日、アトラスの学者・ユベールと出会い恋に落ちた。彼の研究に協力し共に生活しているうちにセラフィーを妊娠したのだが、セラフィー出産直後に彼は遺跡調査に出かけてそのまま帰らぬ人となった。
 人間と三眼族との混血児は忌み児とされていたが、ユベールと2人ならば何とかなると思っていた矢先のことであり、失意のクリスティーヌはセラフィーを孤児院に預けこの島へと戻ってきたのであった。
 語り終えたクリスティーヌは娘の成長を喜び、ひしと抱きしめ、それに応えるようにセラフィーも母を抱きしめた。

 そんなこんながありつつ、一晩三眼族のコロニーで休んだPC達は、アデルをはじめ三眼族の技師を数人連れて、未踏領域バルド半島へと飛び立った。

 雪の降り積もった大地に大きな岩が転がり、枯れた針葉樹の森が広がっている。初めて見るバルド半島の風景に目を奪われていると、針葉樹の森の中に不自然に開けた箇所が見つかる。
 そのうちの円形に開けた場所に近寄ると突如、飛空艇に誘導信号が入ってくる。どうやらここの基地のシステムは生きているらしい。
 PC達の乗る飛空艇は誘導に導かれるまま、開いた穴に入っていく。そこは大きな格納施設になっていて、目的地としていた最後の基地であることがわかった。

 対降魔最終兵器(巨大ロボ)を発見し、すぐにジンを乗せて起動実験を試みた結果、少し修理の必要があることが判明する。
 三眼族の技師たちに修理を任せ、PC達は久しく同行していなかったアリシアを再びメンバーに加えてローゼン、ルフト間に現れるはぐれ戦艦の回収に向かうことにした。

 20m以内に近づけば戦艦は攻撃ができなくなるとコンピュータ知性体のマリオに聞き、気合をいれて飛空艇の操縦桿を握るセラフィー。
 識別信号を出しながら近づいたにも関わらず、問答無用で撃たれたが、そこは見事な操縦技術でかわし、戦艦に無事たどり着くことができた。

 戦艦のメインコンピューター室でアリシアがプログラムのバグを直している間、戦艦の中を探索していた面子は手のひらサイズの小型爆弾を3つ発見し、ヨセフが2つ、マイトが1つ管理することになった。

 戦艦も自分たちの戦力に加えたPC達は、今までの報告に飛空挺でガリオンへ向かう道すがら、巨大クレーター近くを通って法教会の部隊と《宵闇の口》の戦いがどうなっているのか見てみることにした。
 上空からみると、法教会の部隊が惨敗の様相を呈しているのがわかる。PC達はさすがに今戦うわけにも行かず、法教会の敗走していく姿を眺めながら、ガリオンへと急いだ。

 ガリオンでアトラスの学長と会い報告とビジネスの話をしたあと、一行は戦艦と決戦兵器の燃料の不安をなくすために、ルフトに住むドレイクにクリスタルを譲ってもらいに行くことにした。

 再び飛空艇に乗りルフトに向かって飛んでいると、突然クレーターのある方角に黒雲が現れ、禍々しい気配が伝わってきた。
 どうやら最悪の敵「大降魔」復活の儀が行われている様子。PC達はこれはいかんと急いでルフトにいき、「甥のためなら」と言う人のいいドレイクからクリスタルを譲り受け、バルド半島の基地にそのまま向かった。

 基地では三眼族の技師たちがあわただしく働いており、整備の終了までに最低1日かかるとのこと。PC達はそれぞれできる範囲で手伝いながら着々と出撃準備を進めた。
※この準備中にヨセフからGM(アデル)に戦艦、飛空艇、ロボそれぞれに自爆装置をつけてくれ、との指示が(笑)ロボ以外には取り付けました。

 準備が終わろうかという時にエピニカ陥落の知らせが入ってきた。
 空からやってきた大きさ10数mの大降魔と、奇怪に変形した魔術師の集団に攻撃を受け、街はほぼ完全に制圧されてしまったらしい。占領下のエピニカでは人々が降魔化しているという。

 PCらと三眼族の技師たちは、戦艦『The Last Hope』を前に進宙式を行い、人間と三眼族の橋渡しになるかもしれないセラフィーが軽くスピーチを行って、決戦を前に士気を高めた。
 整備のすんだ巨大ロボにジンが乗り込み、完全装備の戦艦に飛空艇とともに積み込んで、PCらとマイトレイアス、ミリア、アリシア、アデル他三眼族はエピニカの大降魔を倒すべく出撃した。

 途中、大降魔がエピニカを離れガリオンに向かったことがわかり、キール、マグラはガリオン市民に避難を促すべく飛空艇で一足先に向かうことになった。

 他のメンバーは戦艦で少しずつ進む途中、先日《宵闇の口》の本拠地と思われる巨大クレーターを攻め、敗走したエピニカ法教会の生き残り4名を救助した。その中にはマグラの父フィルド=サイスもいた。
 ガリオンについたキールたちは、学長に事情を話してできる限り市民を避難させ、ついでにクルルも連れ出して再び戦艦に帰還。そのままガリオンを目指して突き進むのであった。

最終話へつづく



BACK