最終話:決戦、大降魔!
ラブコメの行方はいかに?の巻

 先行したキールたちが戻ってきて状況を聞いたPC達は、全力でガリオンに向かうことに。途中通り過ぎたエピニカでも多くの黒煙が立ち上っていたが大本である大降魔の討伐を優先した。

 ガリオン付近までやってくると、戦艦に気づいた降魔たちの群れ(30体ほど)が攻めてきた。戦艦の艦載砲で迎撃をするが、相手の動きは素早く10体の降魔が戦艦へと到着したためPC達は甲板上で迎え撃つことになった。
 ジンは巨大ロボで、セラフィーは武装飛空艇でうってでた。多少苦労しながらも敵を全滅し、一行は更にガリオンへと近づいていく。
※この戦闘で降魔汚染された宵闇ペンダントを使って魔法を唱えたマグラは??ポイントが貯まり皮膚が硬質化(装甲点1点)し始めました。

 ガリオンに肉薄したところで、セラフィーが飛空艇で街の様子を偵察に出た。アトラス本部のある街の中心部では蟹のようなフォルムをした大降魔が、街の各地では多くの降魔たちが暴れまわっている。また、街の外に避難した人たちのほうへも降魔は襲い掛かっているらしく、外から逃げ帰ってくる人たちもいる。

 セラフィーの報告を聞いた一行は、ジンの巨大ロボとセラフィーの飛空艇で大降魔を叩き、ヨセフとマグラは戦艦に残って援護射撃、キ−ルは街へと降りるフィルドたち法の爪の案内をすることに決定した。
※街に近づいた時点で皆さんに降魔汚染チェック。ここでついにマグラは皮膚が黒く変色し更に硬質化(装甲点3点)することに。

 街へと降り立ったキールたち。街の中心部を目指していると、民家から人が飛び出してくる。彼の皮膚は黒く硬質化しておりガクガクと体を震わせている。
 それを見たフィルドは、「手遅れだ」と言ってぶち殺してしまう。その後も降魔汚染された市民を殺して回る法の爪と一緒に、キールはアトラス本部のほうへと歩いていく。

 その頃、ロボと飛空艇で出撃したジンとセラフィーは大降魔のもとへと到着。よく見ると大降魔の額には《宵闇の口》のリーダー(と思われる)ヴァイスの上半身が生えている。ヴァイスは狂ったように、
「降魔こそが魔道の極地!弱き者は強き者に取り込まれるがいい!!」
と叫びながら暴れている。
 もうダメだと判断したジンは先制に長銃をぶっ放す。が、ファンブル。幸運の風も吹かず、近くに建つアトラス本部の半分ほどが崩壊してしまう。

 そこにやってきたキールは、ジンのロボがアトラス本部を破壊するのを見て唖然となるが、とりあえず本部内の生存者と研究資料を救い出すため中へと入っていく。誰かいないかと中を歩いているとうめき声が聞こえてくる。
 そちらへ向かうとそこには瓦礫にはさまれたフランコ(第1、2話参照)が倒れていた。彼の皮膚も黒く変色し硬質化していたがキールは彼を助け出し外に連れ出すことにした。

 街で大降魔との接触があった頃、戦艦のほうにも降魔たちが襲ってきていた。艦載砲で蹴散らすが3体の降魔が戦艦に取り付き、ヨセフ、マグラ、マイトレイアス、ミリアの4人が迎え撃つことになった。

 ジンと大降魔は一進一退の攻防を続ける。セラフィーもジンの援護をしようとするのだが大降魔の装甲は硬く、ほとんどダメージが通らない。そこで、セラフィーは額のヴァイスを狙うことに。
 厳しい難易度をものともせずヴァイス本体に2発ほどぶち込むとヴァイスは完全に沈黙。次の瞬間、大降魔がおぞましい咆哮をあげた。

 ここで、降魔汚染&放心チェック。失敗したセラフィーとキールは降魔汚染を受け1ターン行動不能に。マグラはクリティカル成功したため降魔化は免れた。
※マグラは成功しても半降魔化するはずだったんですが…クリティカルとは……

 放心状態のキールの横では苦しんでいたフランコの体がボコボコと膨れだし降魔化し始めた。我に返ったキールは、元同僚と戦闘することになった。

 甲板上の戦闘も手こずってはいたが、異常に強いマイト&ミリアの助けにより何とかかたがついた。

 ちょうどその頃、ジンvs大降魔のほうも決着を迎えようとしていた。ヴァイスを失い溶解液まで吐くようになった大降魔の攻撃をことごとくかわし、一閃したビームサーベルによりジンは大降魔に止めを刺した。
 事切れた大降魔は地面を腐食しながらズブズブと溶けていく。その中央には大きな降魔核が落ちている。ジンは降魔核処理用ナイフで降魔核を破壊した。

 大降魔が完全に消滅したことによって、他の降魔たちも弱体化していく。
 もともと戦闘にむかないキールは大苦戦を強いられていたが、一瞬意識を取り戻したフランコの、「早く、今のうちに…」という言葉に従い止めを刺した。ヴァイスに対する怒りを抱きながら外に出る血まみれのキール。
 そこには降魔核を処理したジンと腐食された地面に横たわるヴァイスだったものが。キールはヴァイスだったものに銃を撃ちこみ、フランコへの手向けとした。

 大局は決し、残りの降魔たちも掃討され街も落ち着き始めた。PC達はガリオンから逃げ延びた人たちを連れ帰り、エピニカの降魔も掃討し事態は収束した。

 重度の降魔汚染者の扱いについて、全員処理すべきだとする法の爪・フィルドと、今すぐの脅威がなく回復の見込みがある以上殺すべきではないとする重度汚染者のマグラで意見が対立するが、マグラ自身が魔道関連の代表として、三眼族やアトラスと協力して降魔汚染治療の研究を進めることで折り合いがついた。

 そんなこんなで、マグラは法教会で研究を行うことになり、キールはアトラス代表として、古代人の人格プログラムがあるスロース山脈の遺跡で住み込みで研究を行うことになった。
 母親とともに暮らしたいセラフィーは、母親と街で暮らすのはまだ不可能であったので一時的に三眼族の島に戻ることに。ジンとヨセフは家のあるガリオンへと戻ることになった。
 ここで、マイトから2週間後にあるフォンティーヌの芸術大祭の話が出され、そこでキール以外の全員が集まることになった。

 マイトはなんとかミリアとジンをくっつけるためにジンに半日でいいからミリアと2人で祭を回ってくれるように頼み込み、なんとかジンの了承を取り付けた。

◆エピローグ「芸術大祭」◆

 そして、芸術大祭。マイトが無理やりセラフィーをジンから引き離し、ミリアとのデートが始まるが、お互い言葉数少なく気まずい沈黙が訪れる。
 ジンは気を利かせてミリアがモデルとなった絵を見に行こうと誘う。絵のところへ向かうとそこにはミリアの絵とその隣にセラフィーの絵が展示されている。2人で絵を見ていると、自分の絵を見に偶然やってきたセラフィーたちと遭遇してしまう。

  2人の絵は今年度の優勝候補とみなされており、そのモデルが2人もいることから少し周りがざわめきはじめており、またすでに昼時となっていたのでみんなで昼食を取ることをすすめるセラフィー。すでに半日が終わって何もいえないマイト。
 そのままみんなで昼食をとり終わるとミリアは、「ボクは人ごみは苦手だから」といってマイトと共に宿へと引き上げていってしまった。
※こうしてミリアも戦線を離脱したのでした。

 そんな中、ヨセフは優勝候補の2人の絵を早めに買い取るため2人の画家のパトロンを探すことに。その途中、イリーナとセルジョ(第5話参照)の仲の進展具合を探ってみると、前に比べて頻繁に会い話をしているとのこと。
 ヨセフは進展の遅さにやきもきしながらも、それはそれとしてしっかりと2人の絵を買い取ったのだった。

 昼食後、しばらくしてから芸術大祭コンクールの結果発表が行われた。マグラの料理は落選、セラフィーの作品は機械部門の準賞を受賞。そして、注目の最優秀賞は、セラフィーがモデルとなった絵「恋する少女」となった。
※GMが作品名を出すのを忘れておりこの場での発表となりました。

 最優秀賞を受賞した画家アロルドは、ステージで多くの人への感謝を述べ、最後にセラフィーとジンをステージに上がらせ、
「絵のモデルとなってくれたセラフィー嬢と彼女の恋のお相手ジン君。この2人なくしてこの作品はあり得なかったでしょう。どうか、この2人にも盛大な 拍手を!」
とのたまった。
 慌てふためき何かを言おうとするジンと、顔を赤らめうつむくセラフィー。だが、全ては盛大な拍手の海にのまれていくのだった。

 その夜、アロルドからパーティーのお誘いがあり皆で参加することになった。初めのうちはセラフィーとジンを囲んで大盛り上がりだったが、それが落ち着いた頃ジンは密かにセラフィーをバルコニーへと連れ出した。そしてそれにこっそりとついていくマイト。
ジン「あんなこと突然言われてびっくりしただろ?」
セラフィー「え?うん。大勢の前でいきなり言われてはずかしかったよ。……嫌じゃなかったけど」
 ここまで言わせておきながらニブキャラを続けるR(ジン)。セラフィーは、「もういい!」と言って部屋へと戻ろうするが、ジンはセラフィーを引きとめ抱き寄せたのだった。

 これ以上進展がないと見てマイトが偶然を装って登場。一通りからかってから皆に言いふらして回り、1人楽しい夜を満喫していた。

 翌朝、祭りも終わり各自が帰ることになり、セラフィーはもう2週間ほど三眼族の島で暮らし、その後アガリアに戻ることになった。
 ヨセフは買い取った2人の絵を出しどちらかをジンに譲ろうと言う。ジンは恥ずかしがりながらも「セラフィーの絵を」と答え受け取った。ちなみにミリアの絵はミリア本人に渡されることになり、皆は散り散りに別れていった。

◆その後◆

 ヨセフやケイオスなどの働きにより、三眼族や異能者に対する迫害が不当なものであったことを認めるための公会議の準備が進められた。そしてその結果、数年後には三眼族への迫害の不当性が認められ、三眼族との共生の時代が始まることとなった。

 各PC達はというと、

 キールは遺跡に篭って研究を続けていたが、ルフトの叔父から再三届くお見合いの手紙を見て、そろそろ身を固めるか、などと考えつつも研究に没頭する日々を続けている。

 マグラはなんだかんだ言いながらある程度研究を成功させ、父親であるフィルドと奇妙な関係ながら生活をしている。
マグラ「おら、飯だ。毒が入ってるぞ。食ったら死んじまうぞ。どうするんだ!?」
フィルド「お前の毒など効かん。」

 そして、ジンたち。

 2週間がたちセラフィーが帰ってきて元の生活に戻ろうとしたころ、何でも屋を引退したヨセフは元恋人のアカシヤ(第1話参照)に結婚を申し込んだ。それに快く返事をするアカシヤ。
 そこにやってきたセラフィーに2人の結婚のことが伝えられ、セラフィーは2人を祝福するのだが、そこでヨセフから、
「経費も浮くから、ついでにジンとセラフィーの結婚式もやってしまうか」
との発言が。
 アカシヤも賛同し、セラフィーからも反論がなかったためジンを置き去りにして結婚の話は進んでいった。

 結婚式の日取りも決まった頃ジンにセラフィーとの結婚式の話が伝えられた。あたふたとして文句を言おうとするジンに、ヨセフは来るのか来ないのかを問い詰める。
 半ばやけくそ気味に「行けばいいんでしょう」と答えるジンだが、アカシヤはそれで許さず、結婚式に来て何をするのかを明言するようせまり、セラフィーと結婚することをジンの口から伝えさせた。この様子を見てセラフィーは一言、
「師匠、もういいですよ。ジンがこういう人だって分かってますから。」

 そんなこんなで結婚式。法教会祭司長ケイオス直々に執り行う2組の結婚式にはかつての仲間たちも駆けつけ盛大に執り行われた。

 祝福の拍手の中にあるジンたちにどんな未来が待っているのか。

 それはまた別のお話。

−HAPPY END−

■マスター感想■

 初キャンペーンマスター、なんとか無事終了いたしました。プレイヤーの皆さん、お疲れ様でした。途中でネタが尽きたり、PC別に焦点をあてた話が出来なかったりと多くの反省点がありますが、ここで吐露するのは控えておきましょう。

 何はともあれ、マスター自身も楽しくセッションに参加させていただきました。最終回の長いエピローグなんかはお気に入りです。しかし、Kさんのご協力なくしてはあのような楽しいエピローグにはならなかったでしょう。どうありがとうございました。

 最後に、今回のキャンペーンで痛感したこと。

「ヒロインは幼馴染に限る」

以上。お粗末さまでした。

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