最終話「オロチ復活」


●神山防衛戦、その後●
神山での襲撃を退けたPCたちは、子供達と五十鈴の様子を見るために南へと向かった。
南部では、瀕死状態のはずの五十鈴が起き上がり逃亡しようとしていたが、和田が爆砕符を放ち、逃亡を阻止・捕縛した。
子供達と五十鈴を回収した一行は、椿鬼の用いていた妖刀:朔羅の様子を見るというカグヤを神山に残し、一度聖光霊宗の本部に戻ることにした。

仁と和田は蛇骨の符に対する中和符の増産を考え、瞬陽に相談を持ちかける。瞬陽は難しいと答えるが、仁の父・晃の協力もあって陰陽寮の符術師による中和符増産が試みられることになった。

一方、誠二と朱宮、カグヤは捕らえた五十鈴に対して尋問を行った。結果、五十鈴は蛇骨の命令で「京都大災害」後から陰陽寮に入りスパイ行為を行っていたことがわかった。
しかし、「紅」に代わる刀として候補に挙げられている「十握の剣」についての情報ははっきりせず、「蛇骨が持ち去ったかもしれない」という程度であった。

その夜、地震があった。聖光霊宗本部では、人々が「オロチ復活の前触れでは」と囁きあった。
●「紅」の行く末●
仁たちは折れた「紅」の扱いについて話し合う。
どうしても人身御供を用いたくない仁は、人の魂を用いず「紅」を小刀へと打ち直すことを決める。
そのとき、神無の叔父・轟雷が本部に現れ「紅」を刀にするために俺の魂を使えと申し出るが、すでに決心を固めた仁はその申し出を断った。
●五十鈴の行く末●
カグヤ、誠二、朱宮の三人は捕らえた五十鈴の処遇について話し合う。
三人の意見は「五十鈴は危険であるため、殺すべき」で一致したのだが、そこへ仁が現れ(立ち聞きしてた)五十鈴を殺すことに強く反対する。結局五十鈴は、体中に埋め込まれた符を取り除き、無力化することに決まった。

四人は、五十鈴の符を取り除くという旨を五十鈴に伝えるため地下牢へ。地下牢で五十鈴は新着情報だと言って「蛇骨が十握の剣をもっており、すでに破壊されている」という事を四人に伝える。どうやら、五十鈴は蛇骨との通信手段を持っているらしいとわかり、誠二、かぐや、朱宮の三人はさらに警戒を深めたのだった。

同じ頃、陰陽寮から、符術師たちが到着する。かれらの見立てでは、中和符作成には少なくとも一ヶ月はかかるという。PCたちは、中和符の作成の継続と翌日五十鈴の符を取り除く手術を行うことを依頼する。
そのとき、神山で発見されたという子供4人が聖光霊宗本部へと運び込まれた。子供たちは、蛇骨の符に適応できなかったらしく、重症である。

カグヤ、朱宮、誠二、仁の四人は子供を助ける方法について五十鈴に尋ねることにする。五十鈴は蛇骨と通信を取った後、「自分なら子供を助ける符を作れる」と言う。
この言葉を聞いたカグヤは、五十鈴を危険と判断し彼女を即座に殺害する。仁はカグヤを止めようとはしたが一歩及ばなかった。
●仁の新たな決意●
仁は五十鈴を助けられなかったという思いから自室に閉じこもる。
仁を心配した神無は仁の部屋へ行く。神無は一言もしゃべらず、ただ仁の隣に座る。しばらくして、仁の携帯に眞子から電話がかかってくる。眞子は、仁と誠二と眞子の三人でサトリに会いに行こうと提案する。仁はためらいつつも眞子の提案を了承した。

妖怪学校の教室では、サトリがほかの妖怪たちともめている様子であった。事情を聞くと、オロチの影響から生徒達を守るために企画された旅行にサトリが参加しないと言う。
仁はサトリが凶暴化することを心配するが、眞子はサトリの要望を全面的に受け入れ、自分の家でサトリを預かることに決めた。仁はいざというときは自分が駆けつけ、眞子を必ず守ると決意を新たにする。

同じころ、聖光霊宗の本部では、和田は子供達の治療に当たっていた。中和符と符術師の勘によって蛇骨の符は取り除かれ、子供達は何とか一命を取り留めた。
●妖怪凶暴化事件●
翌日。PCたちは、町の各地で起きている妖怪の凶暴化について調べを進める。
カグヤは警察に赴き妖怪関連の事件について調査をする。結果、妖怪関連の事件は京都市内の繁華街を中心にして分布していることがわかった。

PCたちは、この分布の中心地に何かがあるとあたりをつけ、繁華街へと足を運んだ。繁華街で調査をすると、妖怪を凶暴化させる魔力は市内に均一に分布しているらしいとわかった。

そんな中、四条河原町で牛鬼と大ムカデが突然暴れ始めた。PCたちは現場に急行し暴れる妖怪を倒す。この妖怪たちがどこから現れたのかを調べるために、PCたちは大ムカデが出現した巨大な穴の中へと入っていくのであった。
PCたちは穴の中でコミュニティを形成して暮らしている妖怪たちにであう。彼らは、椿鬼の仲間だった妖怪たちらしいが、椿鬼が倒された後は、京都市内に隠れ住んでいたらしい。
そこで妖怪たちの中でも人間との敵対を嫌う「穏健派」のもの達がいることを知り、PCたちは「穏健派」を集め、京都での妖怪の凶暴化について調査を依頼した。

翌日、カグヤは妹のヒスイを妖怪の凶暴化から守るため、彼女を長野へと向かわせる。

同日、仁のもとに眞子からの連絡が入る。どうやら、サトリが暴れ始めたらしい。仁と神無は眞子の家に急行する。神無の魔法のおかげでサトリは正気に戻り、無事、眞子を助けることが出来た。
町でも、様々な妖怪たちが暴れ始め、PCたちは市民の避難を手伝う。蛇骨の告げたオロチ復活の日は、明日へと迫っていた。
●オロチ復活●
そして、オロチ復活の日。
カグヤは、凶暴化を抑制する装置を受け取り、朱宮は妻の髪の毛を織り込んだ鉢巻きを作った。

神無は捕虜となっている狩野のもとを訪れる。「がんばってください」と神無を激励する狩野。

仁は星の砂を見つめてオロチを倒す決意を新たにした。誠二は辞世の句をを作っていた。そこへ誠二の父が現れ「お前の武勇伝を期待している」と誠二をはげます。
和田は師匠と恋人の墓参りをする。大きな花束を持って恋人の墓を訪れた和田の表情は、昔のやさしい彼のそれであった。

そしてPC達は、オロチの眠る地:箕の裏ヶ岳へ。
ひときわ大きな地震の後、丘が崩れ去り、八つの首を持つオロチが出現する。さらにオロチの頭上にあおいと蛇骨が現れる。
あおいは、彼女の祖父:仙神は和田が無理をさせたために亡くなったのだと和田を責める。そんなあおいに和田は必死の説得を続ける。

苦戦を強いられながらも、着実にオロチを追い詰めていくPC達。一本また一本とオロチの首が落ちてゆく。ついに最後の首を失ったオロチに対して、仁は「紅」を突き立てる。緋炎の力によってオロチの体は炎上し燃え尽きる。

オロチを失った蛇骨も必死に抵抗を続けるが、ついには朱宮の銃弾に打ち抜かれ倒れる。

蛇骨を失ったあおいは、符の力に蝕まれて苦しみだす。すぐさまあおいに中和符を貼り付ける和田。あおいは、「一緒に暮らそう」という和田の言葉にはげまされ、一命を取り留める。

そんなPC達の様子を見守りながら、朱宮はひそかに姿を消した。
●エピローグ●
カグヤは、長野にいるヒスイのもとへむかう。ヒスイは泣きながら姉に抱きつく。「お姉ちゃんは不死身だって言ったでしょう」カグヤは冗談めかして言いながら、ひとつの提案をする。それはこれからも二人で京都に暮らすというものだった。
その日、妖怪学校に新たな校則が生まれた。「ヒスイに手を出したらコロス」

神無の伯父:轟雷は神無のもとを訪れ、自分と一緒に来ないかと提案する。神無は「いつか出て行く事になるかも知れませんが」と言いつつその提案を受け入れる。世話になった仁の祖父母に礼をいい。鞍馬山での神無の新しい生活が始まるのであった。

戦いを終えた後、誠二の父はなぜか血だらけであった。息子の生還を喜ぶ父。「拾ったこの命をさらに聖光礼宗のために使いたいと思う」という誠二に、感動の涙を抑えきれない父。涙と、血と飽きることなく流しながら、父子は抱き合うのであった。

和田は、あおいを自分の娘として引き取った。まだ、蛇骨の符の影響の残るあおいはすぐに入院することになった。あおいはもう和田を責めず、二人はいつもの仲の良い二人に戻っていった。そして、一ヵ月後、ちょうど夏が終わるころ、陰陽寮から中和符が完成したと言う知らせが入った。

朱宮は、全国を行脚しながら人間に仇なす妖怪を退治するトラブルシューターとなって、人知れず人々を守っていったという。

仁は戦いの後、眞子に会うために避難所を訪れる。仁には眞子に伝えたいことがあったのだ。はじめはなかなか本題を切り出せない仁だが、意を決して仁は告げる。
「星の砂をありがとう、眞子のおかげで戦いに勝てたよ。」「これからも一緒にいてほしい。」と。
涙を流しうなずく眞子。そんな眞子の目にはほんのわずかな、光が見えたという――――

真・女神転生キャンペーン 完




■GMの感想■
 メガテンは初めて使ったのですが、うまくできたでしょうか? 景気よくレベルアップをしまくったので敵・味方ともにインフレ状態となり、バランスがうまく取れたか微妙でした。まぁ、戦闘は派手になったのではないかと思いますが。
 とにもかくにも、プレイヤーの皆さんお疲れ様でした。そして、拙いシナリオに最後までお付き合いいただきありがとうございました。
 キャンペーンは辛くもありましたが、最後まで楽しむことができました。


第5話



BACK