第一膜:モノ−カタルシステム
(mono-catharsystem)

《闘走機械》――《元気全開》!

 『天羅万象・零』に〈搭載〉された〈世界最高速〉の〈システム〉,この〈システム〉はいわば〈零式〉の〈エンジン〉.すなわち1つの《メカニズム》だ.そして〈ルールシステムとは,一個の生物といえる.生物を構成するシステムのように融合し,互いを補完しあいながら有機的に機能する〉.だからそれは1つの《生物》だ.〈零〉〈システム〉は《メカニズム》にして《生物》.いわば《機械馬》なのだ.

 《機械馬》の運用にあたって与えられる〈警告〉.〈このゲームシステムを利用して,昔の『天羅万象』を再現しようとしてはならない.

 バイクがスピードを落とすと転んでしまうように『天羅万象・零』も遅く走らせようとすると,失敗しやすく危険なゲームとなっている〉.

 この〈警告〉に従おう.〈世界最高速〉の《機械馬》は,ある一定以上の〈スピード〉をもって〈走らせ〉ることで真価を発揮する.〈進化〉の頂点に位置する《機械馬》にとって,〈スピード〉こそが《私のフィールドだ》.《走れメロス》,《明日に向かって走れ!》.

 ところで〈スピード〉とはナニか.ナニが〈世界最高速〉なのか.

 〈世界最高速〉であること,《早い》こと,これは必ずしも賛辞とはならない.ナニの〈速度〉であるかが重要である.

 そもそも〈RPGとは,物語の“創造”を楽しみ,他者と“共有”する,非常にクリエイティブな遊びの形態〉だ.ところで『天羅万象・零』は〈世界最速の,最新の,究極の,本物のRPG〉である.〈いままで我々は,セッションをしているテーブルという地面に対して直接タネをまいて,それが物語と呼ばれる果実になるのをじっと待っていたワケだ.

 運良く,それは甘美な物語を実らせることもあった,その瞬間は非常に楽しく,多くの人々がRPGを楽しむようになった最大の理由だったと思っている〉.〈我々は,零システムを活用することで,RPGをする目的であった“物語”を味わうことをより,素早く行えるようになった〉のだ.

 《現代という大量生産・大量消費の時代》,〈速度〉は《生産》および《快楽》と連結する.〈零システム〉の〈速度〉も例外ではない.〈我々〉は《機械馬》ゼロを〈走らせ〉,《快楽》の源泉である〈物語と呼ばれる果実〉を《生産》する.〈世界最高速とは,この物語のできあがっていくスピードのこと〉なのだ.《アップグレードしても生産速度は同じだ》などとは言わせんよ,フッフッフッ.

 〈RPGとは,物語の“創造”を楽しみ,他者と“共有”する,非常にクリエイティブな遊びの形態〉なのだから,この場合の《生産》は〈創造〉と言い換えてもいい.「銃創」という語が示すように,「創」は「きず」をも意味する.〈創造〉とは「きず」を「つくる」ことだ.《生産》すなわち《産み生す》こと,〈創造〉すなわち「きず」「つくる」こと,この2つの機能を〈世界最高速〉で行う〈エンジン〉が〈零システム〉なのだし,それらの機能は〈刀〉を持った《ロリータ系美少女》という〈システム〉の機能なのだった.

 そして〈“最高速”とは,物語を語らせる速度のことだ〉.〈『天羅万象・零』は君に物語を語らせる〉.〈我々〉が〈走らせ〉ていた《機械馬》ゼロが〈君〉に〈物語〉を〈語らせる〉.これって《主と奴隷の弁証法》,みたいな? でも気にしちゃダメ.〈『天羅万象・零』は,もっとも速く物語を生み,共有化する〉の.《それはとても気持ちのいいことなのよ》.むしろ《主客未分》って感じ? みたいな.

 〈創造〉と《生産》そして〈共有化〉という《ロリータ系美少女》機能,これをもつ〈零システム〉の〈スピード〉は,《快楽》と連結している.ナマのモノではなくとも.起動スイッチが隠された所にある《人型パソコン》ではなくても,《パソコン》は十分に《快楽》と結びついた〈システム〉だ.

 《モデム》を組み込むことで《パソコン》は,《接続》機能を持つ〈システム〉となる.その〈システム〉により〈我々〉そして〈君たち〉は,《インターネット》に《接続》して《世界とつながる》.そして《人さまにはとても言えない》ような禁じられた《イメージ》や〈物語〉を《貴方だけにお知らせ》されて/してみたり,あるいは《日々のよしなしごと》を記した《私の物語》を公開して/されてみたりする.

 《接続》する〈システム〉では《速さ》イコール《快適さ》だ.《快適》よりも《綺麗》を選ぶときだってあるけど,そんなときボクは《接続》していないのサ.この場合,〈速度〉とは《情報処理》《データ転送》の〈速度〉のことだ.例を示そう.

 《同製品は**SCSI対応のインタフェースボードに接続することにより,最大**Mバイト/秒 (理論値) のデータ転送速度を実現する**システム》

 〈システム〉の開発には《実務に即した機能と処理速度の追求》が大切だ.〈零システムは,天羅万象をより加速するために作られました〉.この〈システム〉は〈物語作成〉という《実務》に即した〈ロールプレイ支援〉〈機能〉を持ちます.〈零〉は〈世界最高速〉で《処理》します.《情報》を.《転送》します.《データ》を.

 《接続し,転送せよ!》――何処から何処へ?

 〈世界最高速〉にて――《Quo Vadis》?

 などという《使徒》の問いかけはさておき《ジーザス・クライスト》,《スーパースター》ならぬ《みんな》のために,《楽しく使える》〈システム〉開発には《マニュアルレスで使える操作性の実現》がキモとなる.《操作性》の向上は《運用》や《処理》の「はやさ」の向上,すなわち《生産性》の向上と連結している.例えば以下のように.

 《出荷時に**レベル*に設定されており,ユーザーが特に設定を行う必要がなく,通常のハードディスクユニットと同様の感覚ですぐに運用が可能》.

 《世界最速の**速度および処理能力の大幅向上と,**作業の自動化により,ユーザーの生産性を飛躍的に高めた》.

 残念ながら〈零システム〉は《マニュアルレス》ではない.〈零システム〉の《操作性》が《みんな》にとって《快適》か否かは不明である.それでも〈零〉は〈世界最速〉で,その《生産性》はRPGの頂点にある.この〈速さの秘密〉が〈物語〉だ.

 〈零システム〉,それは〈もっとも速く物語を生み,共有化する〉.〈なぜなら,物語は,ゲームシステムに,キャラクターに,そしてあなたにすでに内包されているからだ〉.

 〈零〉を分かるため,〈分かりあう〉ため――〈零システム〉の《シェア》のため,このモノカタルシステムに〈内包〉された〈物語〉を〈我々〉は《シェア》する必要がある.〈さあページをめくろう〉.

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