第2話:魔術教団登場。
降魔が出てきてさぁ大変の巻

 アトラスからの依頼を受けて砂漠にある遺跡の調査に行くことになったPC達は、準備を万全に整えて街を出発した。

 砂漠の天災とも言える砂龍に遭わないようにと祈りながら進んでいくが、祈り空しく比較的小型の砂龍(体長50m)に目をつけられ、追われるハメになる。
 セラフィーの必死の運転で砂龍の咢から逃れ、用意してあった発破を砂龍の口の中に叩き込むことで何とか砂龍を退け、一行は無事遺跡にたどり着くことができた。

 遺跡に入ってみると中は(プレイヤー的には)近未来的なつくりだった。無機質な廊下と居住空間らしき部屋が続いている中を、とりあえず注意しながら歩いていく。すると、突然アリシアが
「あっちが中心のような気がする」
と妙なことを言い出した。何だこいつは、と訝しんでいると、ジンもアリシアの意見に賛同した。

 指針のないPC達はとりあえずジン&アリシアの言う方向へ進むことにする。しばらく行くとだだっ広い、たくさんの機器が並ぶ部屋に出た。PC達が来た側と反対側の壁には、半開きのドアがあって、さらに奥へと続いているようである。

 遺跡に入ってから、ずっと額を中心に軽い頭痛を感じていたセラフィーだったが、部屋の中心にある機器を見ると、何故かその操作方法がわかるような気がした。
 試しにいじってみると、見たことの無い変な文字が画面にずらずらと出てきた。しかし、ジンとアリシアには何故かその文字が読めてしまう。

 どうやらそれは「降魔研究報告」と書かれているらしい。ほかの資料も見てみるが、さすがに詳しい内容はわからない。しかし、ここで他の降魔関係の遺跡の位置を表していると思われる地図を入手する。
 その地図によると、ここの他にエピニカ南部、スロース山脈、バルド半島に遺跡があるらしい。これ以上の情報はなさそうだったので、とりあえず更に奥に進むことになった。

 今度の部屋には奇妙な生き物(?)が入っている大きなガラスの筒があった。PC達にはそれが何かわからなかったが、それを見ているとどうも胸がむかむかしてくる。「これが降魔とかいうやつか?」「どうする?」と皆で相談していると、今来た下り階段から足音が聞こえてきた。

 さっそく銃をかまえるジンとヨセフ、そして魔術の詠唱に入るマグラだが、現れたのが妙な仮面(カトーマスク)と逆十字の意匠を施したマントを羽織った怪しい男たちと見るや否や、ヨセフが散弾銃をぶっ放してしまった。つられてジンも銃を撃ち、マグラも炎の魔術を放つ。
※GM注:少しは会話をして敵の素性を知ってもらおうかと思ったんですかそんな暇なし。確かに話し合える相手ではないですがいきなり撃つのはヒドイ…。

 そのまま戦闘になり戦っていると、突然PC達の背後にあったガラスの筒が割れ、降魔(わからないが仮にこう呼ぶことにする)がずるりと動き出した。

 あらかた怪しい男どもを片付けていたPC達は標的を降魔に変更し、妙な液体を吐きかけられながらもあと一歩というところまで降魔を弱らせるが、そこで残っていたリーダー格の仮面男がむにゃむにゃと呪文を唱え始める。
 PCが止めようとしたときにはもう遅く、男は呪文を唱え終え、降魔の中から飛び出してきた黒い結晶状の物体を回収するとあっという間に逃げてしまった。

 その後PC達は残っていた仮面男たちの死体をあさろうとしたが、死体は触れると爆発四散してしまい、近づいていたキールは怪我を負ってしまう。回収できたのは体の欠片と黒い石のペンダントだけであった。

 そんなこんなで遺跡調査の依頼を終えアガリアの街に戻ると、フランコからアトラスの本拠、学究都市ガリオンまで護衛の延長を頼まれる。PC達はその依頼を受けることにして、アカシヤやマイト、ミリアに別れを告げ、ガリオンへと向かった。


 ガリオンにつくとキール(キーリウル)はすぐにアトラスに出向き上司に今回の調査の結果報告をした。すると突然、アトラスの学長とPC達全員が面会することになってしまった。

 PC達は、遺跡で出会った仮面男たちは魔術師のテロ組織《宵闇の口》であるということ、アトラスも降魔に関しては研究しているということを聞かされ、地図にあった他の遺跡へと向かい降魔の回収やその調査を行ってくれるように依頼される。
 ヨセフの交渉の末に結構な額(国家予算並み)を提示され、喜んで引き受けるPC達であった。

 その後、降魔関連の調査のためといってマグラは魔道書の類がないか学長に聞いてみるが、「アトラスにはない」との返答。逆に、「どうして魔道について調べるのか?」と質問される。
 何とか言い逃れたが、マグラはこの問答で自分が魔道士だと気がついたかもしれないと怯えだし、学長暗殺のため自宅を突き止めようとしだした。ヨセフはそんなマグラをなだめすかして高級トカゲ料理店へ夕食を食べに行くのだった。


 その頃、ジンとアリシアは古代文字が読めたということで、簡単な調査を受けさせられ、古代文字の解読を手伝わされる羽目に。
 やっとのことで解放された後、ジン、セラフィー、キール、アリシアの4人は、キールの師匠でロステクと三眼族の研究家であるウーゴ氏に会いに行くことになった。

 ウーゴとロステクの話で盛り上がり、先の遺跡調査でなぜか機器の操作ができたことをセラフィーが話すと、ウーゴが
「君になら会わせてもいいかもしれない」
とPC達を地下の部屋に通した。
 地下の部屋に入るとそこは、天蓋付きのベッドが置かれところ狭しとぬいぐるみの置かれたやたら少女趣味の部屋であった。そこには年の頃は11〜12歳のかわいらしい三つ編みの女の子が座っていた。
「…初めまして。…クルルといいます……」
 そう言う彼女の額には、第三の眼があった。

第3話へつづく



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