ゴブリン退治

ソードワールド GM N
PCたちは一度冒険でひどい目に遭って以来遠くへ行けなくなりゴブリン退治だけを5年やってきた臆病者の冒険者たちです。
ゴブリン退治の経験はかなりあるものの未だに冒険者レベルが2です。
冒険者の店に行っても他の冒険者から馬鹿にされるがついに腹も立たなくなってしまった。
『プライドなんてとっくの昔に捨ててしまったさ』
あるときPCたちはゴブリン約20体を退治する依頼を頼まれる。
しかしPCたちは20体のゴブリンを相手にすることなど恐ろしくてとてもできない。
しかしPCたちは先ほど見かけた貴族の道楽で冒険者デビューした10歳頃のミモラと荷物持ちのゴリラスのことを思い出す。
「待てよ。ミモラはともかくあのゴリラスという男は相当な実力の持ち主だろう。彼らと協力すれば20体のゴブリンを退治できるに違いない。」
PCたちは早速ミモラの住んでいる屋敷に行く。
ミモラの部屋の前まで行くとミモラがゴリラスを叱っていた。
「ゴリラス、あれほど野蛮な行いを慎むように言ったでしょう。戦いは清く正しく美しくなければなりません。」
しかし実際はゴリラスがミモラの危ないところを救ったのであるが
「申し訳ありません、ミモラ様。」ゴリラスは表情一つ変えずに言った。
冒険者として5年のキャリアを積んでいる我々は確信した。
「この男を怒らせることは死を意味する。」
「ゴリラスさん、お疲れさまです。」
「ゴリラスさん、肩をお揉みしましょう。」
「ゴリラスさん、お荷物をお持ちしましょう。」
PCたちはゴブリン退治の主力であり、そして自分たちの命を握っているゴリラスの機嫌を徹底的に取った。
そしてゴブリンたちが住んでいる洞窟までたどり着いた。
洞窟の中へ突撃しようというミモラを説得し、安全確実な方法を取ることにする。
まず洞窟の前で火を焚きゴブリンたちをおびき寄せ出てきたところをロープで転ばせ(このときロープを2本にしておけば1本目を飛び越えて油断したゴブリンも転ばせることができる これがコツ)転んだところを全員でぼこぼこにする。
我々は5年のキャリアがあるのでその作業の手際の良さは達人級であった。
依頼主にもらっていたゴブリンだけに効く毒薬も使い苦戦の末、ボスのゴブリンロードを倒すことに成功した。
ゴリラスが我々に「まさかおまえたちだけでゴブリンロードを倒すとはな、見直したぞ。」
それだけ言って、気絶したミモラを抱えて去っていった。
ゴリラスに褒められた僕たちはもう一度「冒険」に挑戦しようと思った。
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