隧道巡り

システム:CoC7e
シナリオ名:隧道巡り
6月10日に行われたセッションのレポートを流します。

シナリオ概要:「大嶺トンネルは呪われている」怪しげな記事が語るこの場所は十数年前に工事が中止となって以来、オカルトマニア達からの評判も高い心霊スポットだ。近頃は更に不気味な噂も多いこの場所で探索者たちを待ち受けるものとは。
●キャラクター紹介
PC1 法霊崎冥香 21才の女性、オカルト研究会会長。身長がとても高い(SIZ90)。性格は根暗。
生まれつき何かが「見える」体質らしく、更に霊を「殺す」ことに対して異常な執着を持つ。武器は巨大な木斧。

PC2 青木燿 医学部3回生、オカルト研究会会員。身長がとても高い(SIZ90)。大きい人に厳しく小さい人には寛容。
体の大きい法霊崎を見て、密かに彼女を消そうとオカルト研究会に入会した。人を救いたいという医者志望らしい一面も持つ。武器はチェーンソー。

PC3 松平栞 19才の女性、オカルト研究会会員。身長は高くない(SIZ75)。オカルトにはそんなに興味がない。
戦国時代から続く名家の末裔(を自称している)。ならばオカルトに詳しいだろうという雑なノリで勧誘された。武器は先祖代々伝わる宝剣。

●本編
ここは左京区にある某大学、部室棟のある一室でオカルト研究会のメンバーたちは来たる夏合宿の行き先を決めようとしていた。
松平は何故か部室で筋トレを行う法霊崎と青木をよそ目に南国へ行きたいという。そんな松平の要望もむなしく、法霊崎は今年度の合宿の行き先は「大嶺トンネル」であると伝える。この場に巣食う悪霊を殺すのだと主張する法霊崎、それに青木ものっかり二人して「悪霊退散!」と叫びはじめた。

情報を調べ、行き先の大嶺トンネルは長嶺村という温泉地に程近いと分かり、乗り気でなかった松平も温泉やジビエに期待をし、宿の予約を始めた。その一方で長嶺村やトンネルにまつわる奇妙な噂も発見した。ある掲示板は大嶺トンネルに化け物がでて、行方不明者が表れていると言い、そしてまた別のサイトでは、村の付近でひと月ほど前に正体不明の奇妙な閃光が見られたと書いていた。
法霊崎は噂が本当ならば化け物と対峙することになると考え、他の会員に対し武装を呼び掛ける。斧、チェーンソー、宝剣。思い思いの武装をした3人は長嶺村へと向かった。

到着した3人は村で出会った老人に話を聞くが、大嶺トンネルは心霊スポットとしては名高いものの、実際にそんなものを見た人は村の中にはいないと言われる。話を聞いても対した収穫を得られないと判断し、とにかくすぐさまトンネルへと向かおうと決めた。

大嶺トンネルの入り口、法霊崎と青木は何やら奇妙なものが中にいると察知する。そして二人はおもむろに武器を取り出し、中へと進入していった。そんな彼女らにやや引きつつも、松平も布に巻いた剣を手に持ち、後へと続いた。
しばらくして一行は道の先に死体が転がっていることを発見してしまう。やや驚きつつ、それを調査すると死体には血の出ていない深い穴があると発見した。この中には化け物がいると確信した3人はさらに奥へと進んでいった。
更に進んでいくと奥は行き止まりとなっていた。辺りを調べ、壁に青い粘液状の物質がついていることを発見する。明らかに既知の物質ではないそれを化け物の体液と判断し、警戒を強めた。

出口へと引き返す中で青木はトンネルに不自然に丸くあいた横穴があると発見する。法霊崎と青木はサイズ的な問題で、松平を穴の中の調査に向かわせようとする。はじめは嫌がった松平だったが、帰ったら焼き肉を奢ってもらうことを条件に渋々と調査に向かう。穴の中は酷い悪臭がたちこめており、彼女は思わずもどしてしまう。そして耐え切れず穴の入り口へと引き返してきた。
そんな様子の後輩を見かねてか、続いて法霊崎が穴の中へと向かう。悪臭に負けず先へと進んだ彼女は穴の先で驚くべき光景を目にした。およそトンネル内には似つかわしくない宇宙船のような近未来的空間。そしてその中には2つの大きな機械と、1匹の青い粘液を滴らせた化け物が存在していた。

法霊崎は穴の先で見たものを2人にも伝えるが、彼らは当然半信半疑の様子。青木は一旦外に出ることを主張するが、法霊崎に怖気づいたのかと煽られ穴の中へと進むことに。青木が悪臭にやられたり、穴の先の光景をみて松平が失神したりもしたが、ともかく一行は穴の中の化け物を倒そうと決めた。
法霊崎の斧での不意打ちが決まるが、化け物も負けじと反撃する。しかし青木のチェーンソーによる致命的な一撃が化け物にとどめを刺し、化け物は青い粘液を鉱石のように変え、動きを止めた。

内部の空間を探索する3人はそこで時空間転移中に怪物に襲われ、想定外にこの時代へと転移してしまったという記録を発見する。法霊崎は化け物が存在したこの空間にあるものを破壊することを提案する。青木は反対したものの、最終的には内部にあるものは破壊された。青木はせめてもと化け物が残した青い鉱石を回収した。
横穴を後にし、出口へと向かう3人だが異常に気が付く。明らかに行きに歩いたよりも長く歩いているのに出口が見えない。この奇妙な現実を前に松平はさっきもっと念入りに機械を壊すべきだったとぼやく。歩んだ先にあったのは、見覚えのある行き止まりだった。

奇妙な現象から逃れようと様々に工夫をして、なんとか外部への脱出をしようとするが何度やっても行き止まりへと辿り着いてしまう。悪戦苦闘する3人、ふと気づくとそこに嗅ぎ覚えのある強烈な悪臭がたちこめていた。唐突に地面の角から黒い煙が渦巻き、その中からキュビズムを現実へと無理矢理映し出したように不可解にねじれ、青い粘液を垂らす怪物が現れた。体躯は先ほど横穴で見たものよりも二回りほども大きく、その目線は3人を恨めし気に捉えている。青木は恐るべき怪物を前に錯乱し、その場に憎むべき会長、法霊崎が二人いるという幻覚を見てしまう。激昂して法霊崎と松平に襲い掛かろうとしたが、いつのまにやら怪物は姿を消し、しばらくして青木は正気を取り戻した。

怪物と遭遇した3人は何かこの事態に対処する手がかりがないか、再び横穴へと向かった。先ほど壊したはずの機械は壊されたことが噓だったように元の状態に戻っている。松平は破壊が足りなかったのではとまたぼやいた。
今度は念入りに調査を行い、3人は未来人が残したメッセージからこの現象について真相を知った。トンネル内は怪物の起こした時空間異常により「トンネルに入った瞬間」と「トンネルを出る瞬間」が接続されていること。時空間異常の対処には怪物の持つ青い物質がカギとなること。そして一人での脱出は不可能だと悟った未来人が、後から迷い込んだもののために手立てを残して自ら化け物になったこと。青木は自らが殺めてしまったものの正体を理解して戦慄し、罪悪感に苛まれることになった。

一行は未来人の残した青い鉱石、そして2種の機械を利用して万全の体制を整え再び奇妙にねじれた青き怪物と対峙した。激しい戦闘の末、怪物にとどめを刺したのは皮肉にもまた青木のチェーンソーであった。二度も己の手で命を終わらせてしまい、思わず殺したくて殺したわけではないと叫ぶ青木。その叫びもむなしく、法霊崎と松平は彼のチェーンソーさばきを褒めたたえていた。

無事にトンネルの異常は解決し、3人は外へと脱出した。未来人の残した空間や機械について、壊したい法霊崎と残したい青木で多少もめたものの、最終的には公表はせず、青木が密かにその調査をすることになった。あと松平は機械を使ってでかいダイヤモンドを作った。
村に戻った3人は再度、村に到着したときに話を聞いた老人と出会う、何もなかっただろうという彼に聞こえぬように法霊崎は「知らないということは幸せな事だ。」と1人つぶやいた。
一行の旅は始まったばかりだ。
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