海の秘宝

システム:ソードワールド2.5 GM:葉月

3月28日一部に行われたSW2.5のセッションレポートです。

PC紹介
PC1::ロアン PL:にかわ
タビット/男/11歳 ライダー・ウォーリーダー・アルケミスト・バード
旅芸人の一座に生まれたタビット。放浪しながら生きることが身に染みついており、まだ行ったことのないところへ行ってみたいという理由で冒険者となった。

PC2:チルミス PL:ぐるぐる眼鏡
フロウライト/男/20歳 プリースト(レパラール)・スカウト・フェアリーテイマー
フロウライトの神官。手先が器用ではないが妖精と神聖魔法に頼って生きてきた。自分と同じ鉱石を探すために遺跡をめぐっている。常に妖精を連れている。

PC3:マーチ PL:怪竜
ダークドワーフ/女/27歳 エンハンサー
地下世界で生まれた鍛冶屋見習いのダークドワーフ。ある時地上からやってきたイケメン冒険者を助けてしまったことで一族を追われ、冒険者になった。アトリには借金をしており、強く出られない。自らの種族を隠しているが、他のPCには明かしている。

PC4:アトリ PL:キノ
人間/女/20歳 コンジャラー・レンジャー
友達がおらず、ゴーレムが友達な人間。コンジャラーの師匠が行方不明になってしまったところを今のパーティーに拾われた。何でも言うことを聞くのが友達だと思っているため、友達の概念がおかしい。

NPC:リリー 
レプラカーンのセージ。今回の依頼人。
オープニング
マルという港町で冒険者として活動しているPC一行は、ある日、リリーという学者から依頼を持ち掛けられる。彼女の話によると、魔動機文明時代の史料を調査していたところ、「マルの沖合にある島に魔剣が隠された」という記述が見つかったらしい。島には魔剣を守るための施設が建てられたというが、肝心の魔剣の能力は不明であるとの事。そこで、一行には島にあるであろう遺跡の探索と、魔剣が見つかった場合研究のためにそれを持ち帰る事が依頼される。加えて、リリーは出来れば自分もついて行きたいと申し出るが、パーティーにはセージがいなかったため、むしろ喜んで受け入れられた。

ミドル
 目的の島までは船で三時間かかる。一行は漁師に船を出してもらって島まで向かう事になった。船上で、漁師は島の付近に温厚な「竜」の群れが暮らしている事や、島で人影の目撃情報がある事を話してくれた。島が近づいてくると、果たして竜のような生物の群れが泳いでいるのが見える。一行はそれがカマウェトという幻獣である事が分かった。ドラゴン語が話せるリリーが話を聞くと、カマウェト達は昔島に人が住んでいたと教えてくれる。
 一行が島に上陸して探索すると、程なくして何かの祠とその下に隠された扉が見つかった。チルミスが魔法によって解錠したが、その時一行は何者かの視線を感じ取る。警戒するも特に攻撃が仕掛けられるような事は無く、念のためにチルミスが入り口に罠を設置してから遺跡に入る事になった。
 最初の階層は普通の居住空間のようであった。一つの部屋からは日記と五つの特殊なマギスフィアが見つかった。日記は魔剣の守り手と思しき人物のものであり、約三百年前の日付で途切れていた。マギスフィアの方は水中で自由に行動できるようになる装備が収納されたものであった。また、この階層には書斎があり、〈蒼海の剣〉という魔剣についての研究記録や、遺跡の見取り図が残されていた。見取り図によると、魔剣は島と海中で繋がった小島に安置されているらしい。加えて、本棚には不自然に空いているスペースがあった。
 次の階へ進むと、二つの扉があった。片方は物音がせず、もう片方は水の流れる音が聞こえたため、一行はまず物音のない部屋へ進む事にした。その部屋は行き止まりで、中に宝箱が二つ置いてあった。一つは開いており、周囲にはバリンガーという魔動機械の残骸が散らばっている。その宝箱がジャックインザボックスという魔動機械が飛び出す箱だとリリーが見抜き、一行は開けずに置いておいて帰りに持っていく事にした。
 もう片方の部屋ではかなり速い激流が部屋を二分するかのような形で流れていた。激流の中には足場がランダムに出たり沈んだりしている。向こう岸には扉があった。一行は順番に渡り、向こう岸に着いた人が後の人をロープで支えて補助するという手段をとる事にした。ロアンとマーチが一度失敗して島の外へ吐き出されるという事故も起きたものの、最終的には全員渡りきる事が出来た。次の部屋に進む直前、チルミスは何か仕掛けらしきものの駆動音を耳にした。
 次の部屋は何もない正方形の部屋で、向かいに階段があった。天井には無数の小さい穴が開いており、罠を警戒した一行は妖精とゴーレムを先に進めるが、何も起きなかった。また、チルミスが進んでも反応は無かった。そこでアトリが進むと、天井から何本もの銛が降って来たが、素早い身のこなしで避ける事が出来た。罠はどうやら熱感知式であるようだったが、防護点の高いマーチが部屋を回り、安全なルートを作って無事に進む事が出来た。
 次の部屋は床一面が水浸しであり、下の階が海水に没している事が分かった。部屋の中央からは突如として二体のジャイアントクラブが現れたが、マーチの練技によってあっさり焼きガニにされた。一行は先程手に入れたマギスフィアを使って下へ潜る事にした。
 進んだ先は一部海流によって移動が妨げられる部分があったが、マーチが近くの大岩を動かして海流を防ぐ事が出来た。更に進むと小島の内部に上陸出来る箇所に到着した。小島の内部は三階建てになっているようであり、一行は何もない一階で仮眠をとることにした。
 仮眠も終わり、二階へ進むと三体のアンデッドが襲いかかって来た。アトリのゴーレムやロアンのウォーホースの攻撃、そしてマーチの炎で難なく片付ける事が出来たが、マーチはダークドワーフの種族特徴である黒い炎を使ってしまったため、リリーに正体がバレてしまった。リリーは動揺するが、マーチがパーティーに受け入れられている事や今までの体を張った活躍を見て信用し、この事は他言しないと約束してくれた。

エンディング
 アンデッドの内の一体は魔剣についての記録を所持しており、それには以下の事が書いてあった。
・魔剣〈蒼海の剣〉は魔動機文明時代初期、魔法文明時代末期の紛争のせいですっかり荒れ果ててしまった海を浄化するため生み出された。この魔剣には海の生き物と意思を通じ合わせる能力も備わっていた。
・時代が下り、ある人間によって魔剣は改造され、海の生き物を支配する能力を得た。しかし、その力は生き物たちを傷つけるものであったため、製作者の子孫たちは魔剣を奪い返した。
・子孫たちはこの島に魔剣の力によって迷宮を生み出し、この島で魔剣を守って生きていく事にした。
読み終わると、聞き覚えのない声で呼びかけられる。声の方向には人間の男性の姿をしたゴーストがいた。男性はシーザーと名乗り、〈蒼海の剣〉の最後の守り人であると告げた。彼曰く、
・自分は街に出かけた後、突然の蛮族の侵攻に巻き込まれて街で死亡し、ゴーストになった。
・再び島まで戻り、守り人としてせめてもの務めを果たそうと思っていた。
・アンデッドたちは昔魔剣を奪おうとやって来た者の成れの果てである。どこから聞いたのか知らないが悪用する気満々だったので魔剣の力を用いて殺した。そしてアンデッドと化した後は魔剣を守る者として利用した。
・一行が遺跡を探索する様子は見ていたが、信用に値するかどうか分からないので特に口出しせず見守っていた。
との事。そして、生き物を傷つけないため、魔剣をこのままにしておいてほしいと頼む。
 リリーは迷うが、一行との話し合いを経て、今は一旦帰り、今後島に通って魔剣を預けてもらえるよう信頼を得る事にしたいと告げる。シーザーも一行の「島も安全とは限らない」という言葉や、己の幽霊の身も省みて、その提案に同意する。一行は、最後に〈蒼海の剣〉を一目見て帰る事になった。その魔剣は、柄にサファイアが埋め込まれた美しい剣であった。
 一行はシーザーに道中の罠を解除してもらい、ジャックインザボックスも回収して再び漁師の船で帰路に就くのであった。
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