驚愕! 地球は狙われていた!! 

システム:クトゥルフの呼び声 GM:サンダビーダ

システム:クトゥルフの呼び声(七版)

四月三日に開催された新歓セッションのセッションレポートをお届けします。
今年四月分のブログ更新となりますが、交信が停止していた半年間のブログは随時更新される予定ですのでご期待ください。


CoC7版シナリオ『驚愕! 地球は狙われていた!!』
KP:サンダビーダ

【シナリオ概要】
某大学底辺オカルトサークルの四人のもとへ高校時代の友人「介良 甲児(けら こうじ)」からのタレコミがあった。最近、彼の地元にUFOや宇宙人が出るのだという。ある者は興味を惹かれ、ある者は旧交を温めるために、介良の待つ網羽生町へと赴く。

【探索者紹介】
 探索者は高校来の友人で、NPC「介良 甲児」と仲が良い。
探索者①:小鳥遊 ことり、ストーカー撃退読モ大学生(@新入生)
探索者②:生田 優一、とてもサイコパス蛇男(@ストライプ)
探索者③:山形 弘樹、のほほんカメラマン必殺仕事人(@百舌)
探索者④:式守 伊蔵、スーパーミリオタ運転手(@マソバソアソ)

【シナリオの導入】
 夏休みのとある日、仲良し五人組のLINEグループに介良から写真が届く。そこには「まさにUFO」と言わんばかりの未確認な飛行物体が映っていた。写真に詳しい小鳥遊や山形が調べるも合成かどうかはわからなかった。介良が続けて言うには、町の人間の多くが宇宙人を見たらしい。普段嘘なんて吐かない人もいたということで、探索者たちは真偽を確かめるために介良の地元「網羽生町」へと向かう。
 事前に調べたところ、町自体が有名ではないせいか、大した情報は見つからなかった。わずかな噂がささやかれているだけで、これを調べるには現地に行くしかなさそうである。
【網羽生町にて】
 介良工房はとても大きな建物だった。そこには見知った介良の父親がおり、探索者一行と遊びに行こうとした介良を叱る。介良は刀鍛冶としての修業があるということで、一行についていくことはできないのだという。その埋め合わせではないが、UFOの写真を撮った人物や宇宙人の目撃者を教えてくれた。
 まず、写真家・桂井のもとに向かった探索者たちは、冷静に考えてアポなしで家凸するってヤバくね? となるが、田舎のおおらかさに救われる。桂井は「薔薇井戸の崖」で風景写真を撮っていた時、爆音とともに浮かび上がる金属の塊を目撃したのだという。音の発生源には無人の山小屋が木っ端みじんに崩れていたらしい。後で崖を案内してもらう約束を取り付けた探索者たちは、もう一方の宇宙人の目撃者のもとへ向かう。
 農家・一戸のもとへ向かった探索者たちは、彼がいるらしい畑へとやってきた。探索者たちは畑の一角の茄子が不自然に枯れているのを見つける。塩素のような不快なにおいに顔をしかめていると、老人の怒号が飛んだ。畑の主、一戸であった。彼に話を聞くと、一週間ほど前に、畑に何かをまく不審な人物がいたのだという。蛇のような顔をフードに隠した怪しい男で、逃げるときにポリタンクのようなものを置いていったそうだ。彼は駐在に通報するも、山に逃げた不審者の足跡は追えなかった。
 一戸は探索者の話を聞いて、「そんなことを調べてるなんて、よっぽど暇なんだな」と、近くのポスターを指さす。町のはずれに住む偏屈な生物学者が奇妙な啓発ポスターを貼っているのだという。「地球は狙われている!」と書かれたそのポスターはいかにもいかがわしい。探索者たちはそれを受け、亜鋤 家次という生物学者のもとへ行くのもおもしろそうだという話になった。

【奇妙な老人】
 亜鋤に電話を掛けた山形は、異様に警戒する老人の口調に驚く。ポスターを見たと言うと、少し警戒を解いた彼はすぐに家に来るように言った。彼の家はいわゆるごみ屋敷で、壁という壁に啓発の文言が書き込まれていた。彼は発電機やろ過機を用いて自活しているようだ。インターホンを押すなり、突然出てきた亜鋤に謎のスプレーをかけられる。くしゃみが止まらなくなる探索者をみて安心した亜鋤は、宇宙人を見分ける方法だと言ってコショウを見せる。独自の陰謀論を展開する彼に探索者たちが呆れていると、亜鋤は決定的な証拠を持ち出す。それは人間大の「蛇の頭」だった。それは明らかにナマモノで、どの既存の爬虫類にも属さない何かだった。探索者たちは彼の妄言にいくばくかの真実味を見出す。亜鋤は近隣の山に土地を持っているようだ。丁度薔薇井戸の崖の近くに。そして彼は探索者たちに毒物噴霧器や見分けるための方法を教え、蛇毒に対抗する注射器を持ってきてくれた。
 彼と別れた探索者たちは生田の知る生物学の教授に蛇頭の写真を送付し、返信を待つ間薔薇井戸の崖にむかうことにした。

【山へ】
 山を案内してもらうために桂井と合流した矢先、生田が胡椒スプレーをかける。桂井はしきりにくしゃみをした後、生田を叱る式守に対し大人の対応を見せてくれた。
 薔薇井戸の崖はかなり入り組んだところにあり、案内なしではたどり着けなさそうだった。やっとの思いでたどり着いた崖は思ったよりかなり切り立っており、落ちたらひとたまりもなさそうだ。自殺者の咲かせる赤い花が薔薇に見えたことが名前の由来なのだという。小鳥遊はぎりぎりまで行ってインスタのため写真を撮る。近くには洞窟があるという話で、探索者たちはネット検索により情報を集めた。
 それによると、「イナサ洞窟」という、まるで人工的に整えたかのように美しい自然洞窟があるのだという。また、猟師が蛇頭の怪物を追いかけた伝承が残っているという。
 探索者たちは崖を折り、爆発した山小屋へと向かった。その途中、山の一角が毒に侵されているのを見つけた。木は枯れ、動物は死に、酸鼻を極める光景が広がっていた。通報した警察に現場を任せたが、夏場だというのにマスクをした警官たちに違和感を覚える生田だった。
 他にやることもないので、本来の目的である爆発した山小屋の後を見に行くと、どう破壊すればこんな壊れ方をするのかもわからない壊れ方をしていた。終始現実的な発言をしていたモリゾーが「内側から宇宙船でも出てきたらこうなるのかな」と茶化すと、妄言担当の山形がからかった。
 洞窟を見に行こうとすると、捜査の応援のために通りかかった警官に見とがめられる。私有地の権利者がたびたび発生する侵入者に困り、怪しい人を見かけたら追い払ってほしいと訴えてきたのだという。どうやら権利者とは亜鋤であるようなのだが、かたくなに通さない警官に探索者は引き上げる。夜に再びここを訪れると決めて。

【夜の私有地へ】
 夜の道を行く探索者たちは、山へ向かうパトカーの中に、頭に袋をかぶせられた人物が連行されているのを見つける。地方警察が絡んだ事件があるのではないかと考えた探索者たちは4WDを操り警察の後を追った。
 足跡は私有地を抜け、謎の洞窟へと続いていた。おそらく「イナサ洞窟」であろう場所へ踏み込んでいくと、山形は壁際に謎の取っ手を発見した。それを引いた先にはうっすら自然発光する緑色の金属で覆われた空間があり、探索者たちは未知の施設へとたどり着いた。さらに驚いたことに、そこには亜鋤の筆跡で案内書が貼られていたのであった。
 機械室には亜鋤の覚書が置かれていた。施設の機械は「取っ手」を握るだけで扱えるようだ。加えて、「培養器」「UFO」などがあることをほのめかす文章もあった。付近には生物学の学術雑誌がおかれており、亜鋤の異常ないちゃもんが書き込まれていた。自分の論文が掲載されないことを逆恨みしていたかのように思える。ほかには毒噴霧器のサンプルや、謎の生命体を培養するポッドが見つかった。この異常な状況に生田の精神が限界を迎えた。この先に待ち受ける状況を鑑み、死ぬ前に情報を残すため、小鳥遊は培養された胎児をSNOWで撮って拡散した。
 廊下を進むと「牢獄」と「中央指令室」が見つかった。牢獄へ行くと、鍛冶服を着た青年がつかまっていた。介良である。奥には彼の父もおり、二人は問答無用で警察に連行されたのだという。扉は隣の部屋にあるという話なので、探索者たちは中央指令室へ向かった。
 指令室には何と亜鋤の姿があった。怪物を叱る亜鋤の姿に探索者たちが驚いていると、彼は自分の身の上を話し出す。彼は論文が採用されないことに悲観し、薔薇井戸の崖に自殺に来ていた。しかし道に迷った結果偶然この未来施設を見つけ、レプティリアンの存在を確信したのだという。かれは培養器を使い自分のいうことを聞くレプティリアンを増やし、自作自演によりレプティリアンの恐怖を世間に知らしめようとしていたのだった。
 町中の人間をを毒で殺そうとする亜鋤を許せるはずもなく、探索者たちは彼を守るレプティリアンに戦いを挑む。

【決戦】
 三体のレプティリアン、そして隊長ゲールが立ちはだかった。式守の銃撃による援護を受け、山形がゲールを含む三人を紐により絞殺、小鳥遊が残る一人を竹刀で撲殺した。絞殺ひもは強い。山形は必殺仕事人だったようだ。
 亜鋤はUFOによって毒物を散布しようとしていたが、介良親子を助けに行った生田を除く三人は残る一台のUFOに乗り込み彼を追う。式守が操縦を試みると、まるでマニュアル車のように動かせるのだった。小鳥遊は砲撃により撃墜を試みるが、これもまさに竹刀で相手を突くかのように攻撃できたのだ。未来ハンドルすごいね。
 狂気孕む科学者の陰謀を阻止した探索者たちは、UFO発見の第一人者として少しだけ世を騒がせ、やがて日常へと帰っていくのであった。
(了)
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