京大RPG研blog

さてまずは「統一卓」とは何かの説明からということで
「統一卓」とは２つのグループが同時にセッションを互いに干渉させあいながら進行していく形式のセッション方式です。感じとしてはAチームとBチームがいて基本的に別々に進行しますが、途中で何度か合流したり、それぞれのチームの行動や選択がもう一方のチームの進行に影響を与えたりします。最後は共同で何かをやるのが慣例です。

元々統一卓の開催は1度ボツになっていて、最終的にやると決まったのが大体9月末でした。残り日数が例年の半分でGM2人（僕と相方のKさん）も経験がとても浅いということでサポートとして先輩が2人（MaさんとMoさん）協力してくれることになりました。そこからどんなことをやろうかという話の中で僕がARM○RED C○RE を、相方のKさんが1920年代の上海でスチームパンクがやりたいとなったため「1920年代の上海でスチームパンクなメカに乗りながら依頼を受けてドンパチする」といった内容やが決まりました。

そこから数日間は世界観の設定とシナリオの大まかな進行を決めました。舞台が列強入り乱れる上海だったということで比較的お互いの希望の擦り合わせが容易でここは比較的スムーズに決まり、列強諸国が傭兵に対する依頼仲介組織によって上海が戦場になっており、これがすべて邪神降臨を目指すカルトによって仕組まれたものだったという世界と、その仲介組織に登録して列強から依頼を受て報酬を獲得して機体を強化しながら進めていくという信仰形式が決まりました。

その次にシナリオの具体的な内容を決めることになったのですがここを決めるのにかなり時間がかかってしまいました。シナリオの都合上かなり情報構造が複雑なものとなってしまい、情報公開の内容や配分の決定にかなりの時間がかかってしまいました。このシナリオではPC達は依頼仲介組織の"烏鴉巣(レイヴンズネスト)"で依頼を受けていき、情報を得ながら黒幕による邪神の召喚を阻止することが大まかな流れなのですが、烏鴉巣(レイヴンズネスト)は黒幕が運営している等、進行するために公開しなければならない情報が多数あったのでこの内容や公開先の決定にかなりの時間がかかりました。結局はMaさんやMoさんの協力もあり1週間前に何とか終わりました。

それから細かい描写を書き込むことになったのですが描写関連はかなりMoさんとMaさんに助けられました。ちなみにその過程で毛沢東がアカ狂になったり山口組2代目組長が上海入りしたりしました。

最後の数日でデータ作成や先頭ルールの整備をしました。この辺はMaさんがシナリオ作成の傍ら作ってくださったオリジナルルール案にかなり助けられました。クトゥルフ神話ＲＰＧでは射撃武器の回避は不可能でしたがそれを可能にしたり、爆発範囲から即座に退避するルールを作ったりしました。

こんな感じでシナリオ作成が終わりました。シナリオの内容を決定するまでは数日おきに部室対面だったりオンラインで話し合ったりしましたが最後の方ではほぼ毎日会議状態でした。

そんなこんなで本番がやって来ました。途中、敵の武装の鹵獲であったりでチーム間の資産格差がひどいことになったり情報連携がうまくいかず毛沢東が2人現れたり、ラスボスで出目が事故り気味でＰＣチームが壊滅しかけたりしましたが完走しきれました。

最後に軽くPC紹介と僕の担当したチームの大まかな進行を書いておきます

チャールズ・リー（29）
好奇心旺盛なイギリス人。特に機械が好きで上海で闊歩する汽人に興味津々。興味のためなら無茶をしたり倫理観がガバガバになる事も多い。
本人は紳士であろうとしているようだが、空気が読めず、人をイラつかせる。

アブドゥル・ハーサン(38)
祖国を再興するために戦うインド人の壮年。若い頃は無茶をしていたが、戦場で大怪我をしてからは冷静な行動を心がけている。戦争なので人の生き死にには慣れてしまっているが、仲間は大切に思っている。どこか諦念観を感じさせる言動をしている。お金を貯めてインドの土地を買い取ることが将来の夢。

王　保羅(ワン・ポール) 32
とある香港マフィア「蜘蛛頭」のNo.2だったが勢力争いの抗争に敗れ、命からがら逃げてきた。
敵対派閥は日本から資金援助を受けており、兵隊の数では勝っていたが武器の質で負けたので金に対して異様な執着心がある。

マリア服を着た謎のロシア人美女（APP90）
その正体はロシア革命を生き延びた皇女アナスタシア。基本口が悪いが、人前では猫を被る。ソ連を破壊しロマノフ朝を復興させるという野望を抱いている。その第一歩としてPC達と傭兵稼業で金を稼ぎ、商社を立ち上げることを目指している。目的のためなら手段を選ばない冷酷さを持ち合わせる。

清井 誠　男　43歳
大日本帝国においてヤクザ者をやっていたが、二代目に代替わりしたときそのあまりの不甲斐なさに憤慨、裏切りを試みるが失敗する。組織を追われる中で国内に居られないと判断して中華民国へとわたってきた。その過程で脚に傷を負い、後遺症が今でも残っている。
まともな職にも付けぬ中、中華民国では傭兵として前線の苛烈な戦いに身を置いていた。ある時重傷を負ってしまうが、「灰十字」に命を救われた。それ以来、単に個人でいるよりは何かに所属した方が良いだろうと、頼み込んで一員になった。

イワン・クラスノフ　男性　36歳
ソ連労農赤軍情報局上海本部に本国から派遣されていた研究整備士。人的資源を使い潰す局長の方針に従えず、組織を離反。最前線にて分け隔てなく救護活動を行う「灰十字」を設立する。
戦闘能力は皆無に等しいが、持ち前の体力と医学及び機械の知識で、人体のみならず生活環境や最低限のインフラまで治し、直していく。人を見る目は確かで、信頼関係により戦乱地域を何とか生き延びてきた。しかし、初めから理念に無茶があり、構成員は次々と死亡、活動資金も底をつき、医師団は事実上崩壊した。シナリオ開始時は、そんな失意の最中から始まる。

シャーキラ・ハリーリー　16に見える 女
中東のそこそこ裕福な家庭のうまれの少女。黒髪ショート青目でフードを被っていない。
汽人により不安定化した世界情勢の中激戦化した紛争で家族を失い、失意と怒りの中単身東へ亡命。中国を選んだのは、今最も力が集まっている国だからと、親戚に中国の出の2世がおり中国語を習っていたから。
身寄りも働く場所もなく、道行く人に施しをせがんだりそいつの財布をすったりしてなんとか生きていた。
ある日イワンを標的にした際にばれて捕まるも、腕を見込まれてスカウトを受け付いていくこととなる。
明日の理想より今日のパン。
いつも不機嫌そうだが飯を食ってるときだけ笑う。

ディーター ヴァーグナー　男　33　
一次大戦における青島の戦いで敗北し、落ち延びた元ドイツ軍人。
戦場でしか生きていけない性質で、傭兵として各地の軍閥を転々としてきた。
火薬のにおいを嗅いだり火砲の音を聞いたりしていないと禁断症状を起こす戦闘依存症を患っており、救護活動のために最も苛烈な戦場に進んで乗り込む集団である「灰十字」に興味を抱いて接触した。
自身の肉体的精神的異質性については認識しているが、それを個性として前向きにとらえているため、明るく気さくな性格である。また、傭兵として認められるために信用を重んじており、契約を違えることは決してない。
大きな音がする火器が好き。砲や大口径の機関銃を好む。

(僕が担当したPCは清井 誠、イワン・クラスノフ、シャーキラ・ハリーリー、ディーター ヴァーグナーの4名です)

4人は男に依頼されてカルトに捕まった女性のエイミーを救出して見返りとして巨大ロボット"汽人"を手に入れ、代表のノアと会って依頼仲介組織の"烏鴉巣"に加入する。その際に試験として襲撃作戦のための陽動を行い、釣られた敵をまとめて撃破した。また、エイミーはしばらくサポートとして協力することになった。その後、4人は清井の因縁である山口組2代目組長の山口登の殺害任務を受注、汽人に乗った山口を焼夷弾で焼き殺した。その後エイミーの伝手でもう一方のチームとの情報交換を行った後高い報酬のために毛沢東の基地の襲撃依頼を受けた。この依頼は毛沢東の出席する幹部会議を狙った襲撃で現地エージェントとの共同であったので前準備としてシャキーラが高官を誘惑して潜入し、基地の構造や毛沢東か汽人乗りである事実及びその汽人の内容などの情報を手に入れた。また、襲撃の直前になってから基地内に電波ジャックを行い、攪乱してから突入した。これにより毛沢東をほぼ孤立状態で撃破することに成功。その後もう一方のチームととある汽人乗りとの合同依頼を指名で受注し、集合場所に行ったがもう一方のチームしかいなかった。すると集合場所が爆破され、合同依頼のメンバーのもう一人が襲撃した。長い引き撃ちの末にこれを撃退、機体の中から２つの地図を見つける。そのうちの烏鴉巣の奥の地図のもとへ向かっていき、烏鴉巣の代表ノアから黒幕の計画の全貌を聞き、彼が操る巨大ロボと戦闘した。破壊した奥に作戦室があり、そこで資料をあさって最終儀式があと少しで始まるということを知り現地へと向かった。その後儀式場に行き、黒幕であるカルトの教祖と戦闘した。乗員を直接攻撃する手段を持っていたためPCが壊滅しかけるが砲撃武装の直撃により撃破。邪神の招来を阻止してシナリオは終わる。

最後になりましたが、一緒にGMをやったKさん、シナリオ作成に協力してくださったMaさんとMoさん、そしてセッション中協力的に進行してくださったPL一同へ、本当にありがとうございました。