森の異変を解決せよ

システム:SW2.5

4月23日に行われたセッションのレポートです。

PCたちは街の新人冒険者である。
とある村の近くにある森の様子がおかしくなり、その原因を調べに行った猟師が行方不明になった。
村長からの依頼を受け、PCたちは村へと向かう。
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スノーエンジェル

システム:CoC7th GM:bluehorse

春の訪れに冬のシナリオのレポートを流します。

1.シナリオの概略
 真冬のある日、探索者たちは長野県にある桜花スキー場を1泊2日で訪れていた。二日ともウィンタースポーツには絶好の快晴との予報だった。目いっぱいスキーを楽しんだ一行はロッジで眠りにつくことにするが、食事時に管理人から意味深な話を聞かされる。次の日もスキーを楽しもうとする一行だったが、突然の吹雪に見舞われ道に迷ってしまう。突然爆発音がしたかと思うと、上から雪崩が滑落してくるのが見える。命からがら何とかロッジに辿り着いたものの、多量の雪により外に出られなくなってしまう。更に雪だるまの化け物が襲って来る。化け物を倒し外に出たが、遠くから呪文の詠唱が聴こえてくる。このままではイタクァが召喚され世界は闇に包まれてしまう。イタクァの従者である老人を倒すと、召喚は中断され、空は快晴に戻る。


2.登場人物
遠藤彰二
スキー場のペンション管理人。
30年前、スキー場の管理不足によって起きた事故で娘をなくす。
謎の男
前桜花スキー場の管理人、当時全盛にあった開田財閥の会長でもあった。
松井千恵
ルポライター。
幼い頃にスキー事故に巻き込まれるも間一髪のところで助けられる。
PC1.市原濠
山育ちでアウドドア好きの大学生。
PC2.林藤基
脱サラしてマタギとなった初老の男。
PC3.梓沢みのり
情報を追い求めるジャーナリスト。
PC4.額賀陽寿郎
チャカを持ち歩くヤクザの若頭。

3.シナリオの流れ
4人はペンションに辿り着く。そこではスキー旅行の前夜パーティーが開かれていた。
松井「あら、あなたたちも今回のツアー客?''ラッキー''だったわね、お互いさまに」
松井「私は松井千恵。気軽にチエって呼んでね。ルポライターをやっていて、全国を回って記事を書いているの。」
4人は松井と自己紹介をしあう。ジャーナリストの梓沢は松井の話に興味を持つ。
松井「あなたたち、このスキー場で何があったか知ってる?」
このスキー場では1982年1月12日に事故が起こったのだ。
朝から快晴だったその日に、スキー場がスキー客らで賑わっていたところに、突如として吹雪と雪崩が発生。
逃げ遅れたスキー客らが巻き込まれ、2名が死亡、10名が行方不明というスキー場で起こる事故としては最悪のものとなったという。
過去のことだからと流すような調子を見せる4人。そこにペンションの管理人が訪れる。
遠藤「やめてくださいよ、せっかくの前夜パーティーだというのに」
管理人は鍋を抱えてくるが、途中で2階から響いた物音に一行は驚く。
遠藤「ああすみません、奥で私の父が眠っているんです」
遠藤「皆さんとも顔を合わせてあげたかったのですが、車いすの状態で、ほとんど寝たきりでしてね」

夜になり半ば解散という形になると、梓沢は松井の部屋を訪れた。
松井「特に気がかりなのが、十数人を一気に巻き込んだという雪崩ね。」
松井「もちろん開田リゾートの杜撰な体制で人工雪が過剰に積もっていた可能性があるけど、
松井「どこをどう調べても、雪崩の発生スピードと量が異常なの。
松井「まるで爆弾でも使って意図的に発生させたかのような」
松井「それに、現場では雪の中を動く化け物が出たっている話も...」
松井「ごめんなさい、まくしたてちゃったわね。」
梓沢は夢でも見たのではないかと言い、支離滅裂な松井の話に対して戸惑いを覚える。

その頃額賀は2階の管理人の父の部屋を訪れていた。
管理人が寝たきりの老人を寝かしつけていた。
その老人の手足のない様子に額賀はひどく狼狽える。
遠藤「私の父も事故に巻き込まれましてね...」
そういうと外で犬の散歩をしていた林藤も管理人のもとにやってくる。
散歩をしていると雪の中に「スノーエンジェル」の跡を見つけたというのだ。
3人は外を探索するが、そのような跡は見つけられなかった。

次の日4人は予定通りスキー旅行を満喫する。
だが午後に差し掛かった辺りで突然の激しい吹雪に見舞われ、前後不覚に陥る。
なんとかペンションに戻ろうとしたとき、4人を雪だるまの形をした化け物が取り囲む。
化け物は倒しても倒しても湧いて出てくるものであり、4人は逃げる他なかった。

何とかペンションに逃げこんだ4人だったが、ペンションの中に人の気配はない。
部屋を探しても人一人おらず、更に雪崩が発生してペンションの中に閉じ込められてしまう。
何とか窓から脱出しようとしても、外には雪だるまの化け物が無数にいるようだ。
ひとまず4人はペンションを探索し始めたが、2階の管理人の部屋に訪れた額賀は部屋の異常な様相に驚く。
部屋の至る所に氷が張り巡らされ、沁みこむような寒さが額賀を包む。
更に中央の椅子に座っていた管理人の父が振り返ると、その体が雪で覆われ始めたのだ。
遠藤の父「かわいいなぁ...かわいいなぁ...」
うわごとを呟く遠藤の父の体は「雪男」のものに変化する。
額賀はもしものために持ち歩いていた拳銃を用いて雪男を撃退する。

管理人の父の部屋を探索するとマスターキーを見つけ出す。
それを用いて管理人の部屋を開くと、驚くべき情報の数々が隠されていた。
何と管理人は事故で娘が行方不明となっていたのだ。
その犯人は管理人の父とされていた人物であり、彼は本当は管理人の父ではなく、管理人によって囚われ父の振りをさせられていたのだ。
遠藤は更に、謎の邪神「イタクァ」を呼び出すことで娘を蘇らせようとしていた。その依り代となるのが松井であるようだ。
なおこのときイタクァの情報に触れた林藤は、宇宙的存在を感じるような悟りを開き、記された情報がイタクァの召喚と退散のものであることを読み取る。

遠藤の真意を知った一行はその目論見を止めるために行動を開始する。
絨毯の下にあった転移魔法陣を用いると、山の頂上にある遠藤のもとに辿り着く。
遠藤「まさかここまで辿り着くとは...だがここで終わりだ!」
遠藤は雪だるまの化け物を召喚し、更に松井の肉体を雪女のものに変え使役する。
4人はペンションにあったショットガンや拳銃を用いて応戦するが、雪女に命中した弾丸はそのまま松井にダメージを与えてしまうのだった。
松井が息絶えたことで遠藤の野望も終わる。
召喚されかけたイタクァも、超常的な悟りに達した林藤の指導により退去させることに成功する。イタクァが退散すると鉛色の空は晴れ渡った青色の空になり、一行は下山することができた。残った死体は額賀がヤクザのコネで処理し、ひとまず一行は平穏を迎えることとなった。だが真冬のペンションで起きた事件は、4人のその後の人生に影を落とすことになった。
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ようこそ、シンカイへ!

3/26の例会で行われたセッションのレポートです。

タイトル:ようこそ、シンカイへ!
システム:クトゥルフ神話TRPG6版
GM:いずか

【シナリオ概要】
 時は2037年。仲の良いPC達は大学の夏休みを利用して旅行にやってきた。旅行のメインは1年ほど前に新しくオープンした深海遊覧施設「ニューシーランド」。深海見学を楽しんでいると、PC達の元に「パパを探して」と頼む少年が現れる。彼と共に行動するうちにPC達は「マップに載っていない部屋」を見つけるが……。

【PC紹介】
PC1:霜月蒼
 知識欲が強く、さまざまな知識を溜め込んでいる医学部の大学生。愛煙家でもあり、常に喫煙所を探している。関西弁。
PC2:竹前彰吾
 通称マッスル竹前。大学では柔道部とボディビル部に所属している。困っている人がいれば筋肉で突破を目指す、義に篤いマッチョ。
PC3:吉田蹴斗
 サッカー部のエースストライカーで、明るく友達が多い陽キャラ。一見、ただの大学生だが……。
PC4:田所裕二
 学者の家系で生まれ育ち、親とは違う研究をしたいと生物学を専攻している。実は陰謀論者で、何事にも疑問を持って接している。

【本編】
・前準備
 ようやっと期末テストも終わった8月のある日のこと、PC達は集まって、旅行の計画を立てていた。行き先は水深1000mという海の底に建設された日本初の深海遊覧施設「ニューシーランド」。直通エレベーターで深海の本館へと降りれば、透明の壁から深海の生物を観察したり、深海の中を歩いているような感覚を味わったりすることができる……それがこのニューシーランドの売りなのだという。
 PC達はそれぞれ、旅行の計画のために情報を集め、それを持ち寄った。その中には「行く度に違う生き物が見れるのが面白い」「フードコートの料理は絶品」などの楽しむための情報はもちろん、「深海にイルカが来るらしい」「外来種が混ざっているような気がする」「閉館時間を過ぎてもニューシーランドにいたら、魚にされてしまうんだって」などの怪しげな情報もちらほら。そんな不思議な情報を共有しながら、PC達は当日のスケジュールを話し合うのだった。


・当日昼パート
 そして時間は経ち、ついに迎えた当日は、この日外出しなければいつするのだと思うくらいにはさっぱりとした青空が広がっていた。しかしそれゆえに日差しは強く、PC達はこの容赦なく肌を炙る光から逃れるようにニューシーランドの館内へと足を踏み入れた。
 チケットを買いゲートをくぐり、深海へと続くエレベーターに入る前に、PC達はグッズショップに立ち寄ることにした。深海生物や「シーくん」という名前のマスコットのぬいぐるみが所狭しと並んでいる。
「シーくん」……半年ほど前から誕生したニューシーランドのマスコットは、目撃されるようになったイルカを元に作っているというのだが……なんというか、イルカというよりは魚に見える。だがその一方で、骨格や鰭の作り自体はイルカのそれのようにも思える、なんとも奇妙なマスコットであった。
シーくんのぬいぐるみやガチャガチャなど、各々でショップを堪能したPC達は、改めてエレベーターに乗り、ニューシーランド本館へと向かった。ここからは水深1000m、電波も光も届かない、人間がこれまで足をつけることの叶わなかった「新しい海」の世界だ。「ようこそ、新海へ!」という明るいロゴと、潜水艦の乗組員のような服装とシーくんのマスクをつけたスタッフに迎え入れられながら、PC達はさっそく深海見学に興じる。
ぶくぶくと熱水が沸き立つチムニー、ゆらゆらと気ままに揺らぐハオリムシの林、クラゲや魚がふらりと訪れる大峡谷……残念ながら噂のイルカは見つけられなかったものの、地上では見られない世界を堪能したり、館内の小さな博物館で深海の歴史を学んだりと、PC達はニューシーランド全体をくまなく楽しんだ。
しかしその中でも妙に目を引いたのは、博物館に置かれていた「深海の都市伝説」という少々胡散臭い項目。曰く、深海には高度な文明を築く魚人がいて、その血を引く人間は地上にも存在するのだとか。他にも魚人とイルカの混血種「ラニクア・ルアファン」のリアルな写真や深海都市のプラモデルもあり、PC達はなんとも言えない不気味さを植えつけられることになる。とはいっても所詮は都市伝説、竹前と吉田はそう割り切って展示を眺めていたが、田所と霜月は完全に迷信だと割り切ることができなかった。絶品と有名なフードコートの料理に友人が舌鼓を打つ中でも田所は食欲が湧かず、この施設に何らかの陰謀が眠っているのではないかと疑い続けていた。
そろそろ帰ろうか、そう思っていたその時、吉田の足に何かがぶつかる。なんだと思って見下ろすと、そこにいたのは3〜4歳ほどの少年だった。「あれ、パパじゃない……」そう悲しげに呟く彼は、どうやら館内で迷子になってしまったらしい。PC達は彼の父親を一緒に探すことを決める。「青波太平」と名乗る彼曰く、大好きなニューシーランドに父親と一緒に来ていたが、フードコートではぐれてしまったのだという。
しかし館内を一周巡っても、彼の父親は見つからない。再度フードコートへ足を踏み入れたその時、太平は突然「なんか、あっちな気がする!」と叫び、駆け出してしまった。PC達がそれを追いかけると、なんと彼はマップにはない「壁の向こう」にある部屋を見つけ、中に入っていく。そこは暗くて狭くて深海の音がよりはっきりと聞こえる、明らかにニューシーランドとは違う雰囲気の異質な空間だった。しかし太平はこの異質な空間を恐れるどころか心地よさそうな表情を浮かべており、「行かなきゃ、パパがいる……」とより暗い部屋の奥へと進もうとしている。
だが、心地よさを覚えているのは太平だけでは無かった。吉田もまた、この奇妙な空間に対して得体の知れない安心感を覚えていた。例えるのならそれは、故郷に帰ってきたかのような不思議な脱力感。それ以上の幸福は、部屋の奥へと進むことで得られるのではないか……そんな予感が頭を巡り、彼は太平と同様に奥へと進みたい衝動に駆られる。そして霜月、竹前、田所も、そんな2人と共に奥へと足を運んだ。
一歩、また一歩と進むにつれて少しずつ光が薄れてゆく。少しずつ頭もぼうっとしてきて視界が完全に暗闇になった辺りで、PC達は気づいた。自分達は今、たった1人で海の中にいる、と。いつからいたのかというのは全く分からず、ざぶんと入っていった覚えもない。本当に、「いつのまにか全身が水中の沈んでいる」のだ。ふらふら、ゆらゆらとそれぞれの身体は水圧によって無秩序に運ばれ揺られ、気づくとその身体は、巨大な未知の都市の中にいた。だが都市といっても、そこに見覚えのある建造物は一切見られない。眺めるほどに視界が歪みそうになる立体建築、タコとコウモリを混ぜ合わせたような奇妙な生物の彫刻、象形文字のような多種多様な図形の列が彫られた石碑……それはまるで、博物館の「深海の都市伝説」のプラモデルにそっくりであった。


・当日夜パート
 そんな光景に禍々しさを覚えたところで、PC達は目を覚ます。そこは暗くはあるものの、床も空気もあるニューシーランドのエントランスだった。先程見た光景は、夢だったのだろうか。そう思いながら起きあがろうとして、はたと気づく。今、この場には3人しかいないということに。倒れていたのは霜月、竹前、田所。吉田と太平がいないのだ。いや、それどころかスタッフを含め、3人以外の誰もここにはいない。照明はほとんどが消されていて、エレベーターも作動しない。一体、何が起こったのか。そもそも自分達はどうしてこんな状態になったのか。霜月がどうにか今の自分らの状態から壁の奥に入ってからの出来事を推測しようとしたが、分かったことは「意識のないうちに部屋から出てきて、エントランスで倒れていた」ということだけであった。

 一方その頃、吉田も別の場所で目を覚ましていた。こちらは全く何も見えず、どうにかスマホで照らすことで岩のような冷たくごつごつとした床で眠っていたことだけが分かる。するとそこで聞こえたのは、「あ、起きたんだね、お兄さん!」という楽しげな太平の声。太平は暗闇でも目が見えるようで、「えっとね、上にね、『よ、う、こ、そ、……? へ』って書いてあるよ」と当然のように壁の文字も読んでみせる。どうやらエレベーターはなく、先に進める通路は一つだけらしい。

状況は分からないが、とにかく太平の父親を見つけて仲間と合流し、帰らなければ。2人と3人は、それぞれで合流を目指し施設を歩くことになった。

 霜月、竹前、田所の3人は館内を回るも、吉田や太平は一向に見つからない。半周はしただろうか、といったところで徐ろに彼らの目の前の「staff only」と書かれた扉が開いた。常識的に考えれば、そこから出てくるのはスタッフだろう。しかし彼らの目の前にいたのは、服装こそスタッフのものであったが、人とは到底思えない頭を持った化け物であった。青ざめた肌、飛び出た眼球、そして鱗にも見えるような頭頂部を覆う痣……まるで魚のようにも見える頭部を持った化け物もまた、PC達の存在に動揺を隠せずにいるようで、「なぜ、ここに……ひとがいる」と呟いている。が、化け物はすぐに両腕を振り上げ、「みられ、た……にが、さ、ない……」と両腕を振り上げ、驚くPC達に襲いかかった。
 すぐさま竹前が立ちはだかり化け物を押さえつけにかかり、霜月と田所は距離を取った。化け物は並大抵の人間には敵わないであろうがっしりとした体格をしていたが、体格なら竹前も負けてはいない。培ってきた柔道の技で化け物を捕え、拘束することに成功した。霜月が化け物の服のポケットから鍵を見つけ、「staff only」の扉の先へ侵入を試みる。

 一方、吉田と太平も同様の姿をした化け物に遭遇していた。しかし彼らは2人を「尊き血を引くお客様」と歓迎し、太平の父親の場所も親切に教えてくれる。ニューシーランドの館長も2人の前には姿を現し、「ここは『尊き血』を引く者のみが訪れることのできる、特別な場所にございます」と説明した。どうやら吉田も太平もまだ自覚をしておらず、完全にその血が覚醒するまでには時間がかかるだけで、何やら特別な家系であるらしい。そのように気前良く2人を歓迎する館長だったが、他の3人がまだいないということを知った途端、慌てたようにどこかへ行ってしまった。
 残された2人は、とりあえず太平の父親の元へと向かおうと歩みを進める。遺跡のような迷路のような、石造りと思われる人工物があちこちに設置されており、スタッフ姿の化け物曰く、「私たちの遠い先祖が住んでいた場所を模したもの」らしい。と、そこで吉田は自分もこの暗闇に奇妙に順応しており、目が見えるようになっていると気づく。試しに2人で写真を撮ってみても外見が変わった様子はないが、心なしか太平の目が赤みを帯びているように見えた。

 スタッフ専用の廊下へと侵入した3人は、更に地下へと繋がる別のエレベーターや監視カメラの部屋があるのを見つけたが、こちらも電源が落ちているらしい。電源を起動するために電源室に行ってみたが、電源の起動にはパスワードが必要でこちらも手がつけられそうにない。パスワードを探すため、PC達はまだ明かりがついているスタッフルームに侵入し情報を集めることにした。
竹前が聞き耳を立て、今は誰もいないことを確認して3人で潜入する。そこにはスタッフルームらしく制服の入ったロッカーやマニュアルの書かれたファイルなどが置かれていた。「ルルイエの方角はこちら」「ラニクア・ルアファンの子どもが行方不明」「ショゴスの扱い方」など、聞きなれない単語や「我々の声は人間と比べると辿々しく」「『尊き血』の故郷に環境を寄せ」といった人間以外の何かの存在を示唆する記述も多く見られる。特にマニュアルの「ショゴスの扱い方」のページには無数の目を覗かせたどろどろと泡立つ巨大な化け物の写真が貼られており、PC達は不気味さを覚えた。だが一方でこのショゴスという化け物は、「スタッフは傷つけるな」という指示を忠実に守っているらしいということに気づき、ショゴスに出会った時のためにロッカーにあるスタッフの服を着ておくことにした。

その頃、吉田は太平を連れて父親がいると思われる奥へと進もうとしていたが、太平が「もうちょっとここで遊ぶ!」と石造りの人工物の中に隠れてしまう。追いかけて捕まえようとするも太平は鬼ごっこをしているのだと思い込んでいるようで、そのまま大人には入れない所まで走っていってしまった。仕方なく吉田は先に父親を見つけるために先に進むことを決める。
その先は、さっきまで入り組んでいた所とは違い、人工物が少ない広めの空間になっていた。壁には窓があり、ちょうどニューシーランドの大峡谷の下に自分はいるのだと吉田は気づく。その窓の近くに、ぼんやりと海を眺めている青年がいた。姿は化け物に近いものの、頭には鱗のような痣はなくしっかり髪が生えており、服装は私服のようだった。吉田は太平から聞いていた父親の名前「青波洋」ではないかと彼を呼ぶが、彼は虚な声で「そうでしたっけ……まぁ、どうでもいいんですけどね」と他人事のように自分の名前をあしらう。どうやらこの空間が心地よく、もう地上には帰らずここにい続けたいと思っているらしい。
吉田は虚なままの洋に、今は記憶があやふやになっているだけだ、あなたは太平くんの父親で帰らなければならないだろうと説得をする。どうにか洋は「何かを忘れているような……」と呟き、しかしそれでもここには未練があるようで「また戻れば、いいですものね」と吉田について行き太平の元へと戻ることを決めた。
太平の元へ戻ると、太平は「わ、すごい、本物?」と何かを見つけて大はしゃぎしているらしい。そんな息子の姿を見た洋は「頭の中が、もやもやする……」と頭を抱え始めた。戻ってきた2人を見つけた太平は、「見てみて、シーくん見つけた!」と手に何かを乗せて見せてきた。それは一見小さな魚のようだったが、確かに骨格はイルカのそれで、しかも当然のように水のない所でも平然としている。スタッフ姿の化け物はそれを聞き、「ほ、ほんとうに、いたん、ですか」と大慌てでやってきたが、シーくんらしき生物は「シャー!」と牙を剥き、太平の中に隠れてしまった。
化け物は残念そうな顔をしたが、どこかそれを予想していたような諦めの表情を浮かべ、3人と一匹をエレベーターへ案内してくれる。その途中で洋は思い出したかのように「ああ、そうだ……僕は、青波洋だ……」と呟き、吉田にこっそりと「帰る時、ここの記憶を消されてしまう。そして楽しかったという記憶だけが残ってまた行きたくなって、そしてこのような魚のような姿になってしまう」と伝えてくる。吉田はそれを聞き、この空間の録画や記憶を消されるという事実を記録しておくことにした。

そのうちに3人も電源室起動のパスワードを見つけ、エレベーターと監視カメラの起動に成功する。カメラを見てみると、吉田、太平、そして父親と思われる男と化け物は「B1F」のフロアにいることに気づく。自分達とは違って、彼らは化け物に襲われることもなく丁寧な扱いを受けているらしい。
エレベーターを降りると、ちょうどそこで吉田達がエレベーターを待っていたのを見つけ、合流することに成功する。化け物も今度は3人を襲うことはなかった。合流したPC達は再度エレベーターに乗り込み、地上のエレベーターまでたどり着く。するとそこには館長がいて、「おや、もうお帰りですか?」と尋ねてくる。遅くまでお邪魔した、ありがとうというPC達に、館長は「お帰りの際には、ここの秘密を漏らさないことを約束していただきたい」と言い、吉田が取っていた記録を消してほしいと告げる。消しているふりをする吉田を怪しむ館長だが、立ちはだかってプライバシーの侵害だと圧をかける竹前に折れ、それ以上の詮索はやめることにした。
しかしエレベーターに乗る直前、館長は突然手をかざし、何かを唱え始めた。記憶を消そうとしているのだと気づいたPC達は呪文の阻止を試みる。館長を庇おうとするスタッフを吉田が気絶させ、竹前が館長を押さえつけ拘束し、なんとか呪文の詠唱は止まった。霜月と田所はまだここに未練があるようである青波親子を引っ張り、竹前は拘束した館長とやはりどこか未練を感じている様子である吉田を連れてエレベーターに乗り込んだ。エレベーターが閉まる直前で館長が何かを企んでいるような笑いを浮かべたが、それを見つけた竹前は躊躇なく館長の首を折り、息の根を止めた。マスクを取ると、館長もまた、魚の頭の化け物であった。
 上へ上へと進んでいくエレベーターの中で、PC達は海から何かが蠢き近づいてきていることに気づく。それは緑色に発光した、泡立つ巨大なアメーバ状の生物で、エレベーターを破壊しようとしているらしい。しかしスタッフの服を着たPC達が手を振ると、その生物は戸惑ったようにエレベーターから離れる。その間にもエレベーターは上昇し、そしてついに全員が記憶を消されることなく、地上へと辿り着くことができたのだった。


・エンディング
 外に出ると、海からキューキューとイルカの鳴き声が聞こえてくる。すると太平の帽子の中にいたシーくんはぴょんと飛び出し、嬉しそうにイルカに向かって飛び込んだ。太平は残念そうな顔をしていたが、吉田の「シーくんも親に会えたんだ」という慰めに頷き、「また会いに行けばいいよね」と笑う。しかしまた来ることは難しいのではないだろうか……内心そう思うPC達と、洋であった。
そして通報によって警察が到着し、6人は事情聴取を受けることになる。特に館長を殺害した竹前はより長い期間警察のお世話になるかもしれないが、相手がそもそも人間と言えるのか分からない異例の状況である以上、司法の判断は難しい所だろう。そしてニューシーランドだが、警察が本格的な調査に乗り込もうとした時には本館は水没しており、調査が叶わなくなっていた。深海という人類にとっての新しい海の世界の真相は、いまだに明らかになっていない。
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妖狐は夢見心地

シナリオ名「妖狐は夢見心地」
システム「シノビガミ」
GM神

夜の京都
里見馬琴という男が儀式を行っている。
「ようやくあなたと会える……この時をどれほど待ち望んだことか…」
そんな呟きは夜の京都に消えていった。
時期を同じくしてよく遊ぶグループであるPC達は京都へ旅行へ来ていた。
観光を続けていると伏見稲荷大社に重症の忍獣の「ごん」を発見する。敵意を感じなかったこともあり、一度治療し話してみるとなぜかはわからないが、橘ノノアにとてもよくなついていた。
そんなPCたちの元に矢文が届く。
その内容を確認すると
「こちらは鞍馬神流。現在京都にて「里見馬琴」という男が儀式を行っているのでその討伐を依頼する」
と書いてあった。周囲でこの任務を受けられるのは自分達だけのようなのでPC達は調査をすすめることになった。
PC紹介
PC1:橘ノノア 旅行を企画した明るいJK
PC2:柚木翼 PC1に振り回されつつも仕事はきっちりこなす男
PC3亜門鋼太郎 魔王流らしい男

PC達は京都旅行が突然忍の任務になってしまったことを残念に思いつつも、しぶしぶ調査を進める。かわいがっていた「ごん」が実は妖魔であることが判明し、妖気を持つプライズを持つことが明かされる。この時、急に「ごん」の様子が急に変わり、可愛らしい印象とは真逆のいかにも妖魔といった雰囲気になった。これに対する三人の反応もかなりバラバラであった。「ごん」になつかれていた橘は「ごん」と協力する道はないかと模索しながらも、「ごん」と戦う道を選択するが、この時、橘はなぜか妖魔の力を使えるようになっていき、驚きを隠せない状態にあった。柚木も「ごん」がもっていた刀が必要であることから、「ごん」とは戦うことになったが、その過程で橘へ思いを寄せていることがみんなへ判明する。亜門は実は橘を監視する立場にあるため、監視をしつつも、仲良くすごした橘のことを疑いきれない様子であった。メイン戦闘が挟まり、「ごん」が大ダメージを負う形で三人が勝利し、刀は三人が獲得した。メインの感情判定では仲良しと言いつつ、橘から柚木、亜門に向けられた感情は負のものであり、本当に仲がいいのか!?と突っ込む場面はあったが、こうゆう軽口も叩ける間柄ということだろう(実は鬼道という忍法を生かすためであった)。そして明かされたのは里見馬琴が「九尾」を復活させようとしていることと、橘が「九尾」にのっとられようとしていることだった。実はこれを防ぐために亜門は橘に記憶の封印をしたのだ。その封印が解け、乗っ取りが進んでいたが、それをふせぐために力が「ごん」から回収した刀にはあったのだ。その刀を使い、橘は「九尾」という強大な力を手放し、里見馬琴、そして「ごん」と戦うことを決意する。クライマックスでは、橘、柚木、亜門、そして里見馬琴と「ごん」との戦闘だったが、早々に「ごん」を倒すことに成功する。何百年も生きた里見馬琴に苦戦するものの、三人で結んだ感情をうまく生かし、隠忍の血統、比良坂機関、鞍馬神流というシノビ世界では仇敵関係にある三人の協力し倒すことに成功する。無事里見馬琴を倒した三人は任務を果たすと同時に目的である、三人で再びこの先を歩むことになるのであった。
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大波乱!?青春学園生徒会選挙

タイトル:大波乱!?青春学園生徒会選挙
システム:シノビガミ
GM:へんでろぱ

PC1:羽鳥半蔵 鞍馬神流・任務を華麗にこなすエンターテイナー
使命:生徒会選挙における不正を防止する

PC2:泰星 隠忍の血統・中国からやって来た古の龍の血を引く武術の達人
使命:生徒会選挙における不正を防止する

PC3:灯角碧 斜歯忍軍・青春学園に在籍する目隠れ系の少女
使命:生徒会長になる

前生徒会長:望月満
裏生徒会長:御影アキラ
生徒会長立候補者:梅ノ木ハナ
風紀委員長:風紀委員長
体育会会長:体育会代表

【オープニング】
 生徒総数3000人を超えるマンモス校、青春学園。歴史と伝統あるこの高校の生徒会は教師からの信頼も厚く、絶大な権力を持っている。毎年9月に行われる生徒会選挙はもう一つの学園祭と呼ばれるほどのイベントである。
 しかし、今年の生徒会選挙は投票箱が燃やされたり悪質なネガキャンが裏で行われたりして選挙を中止、2週間後に再実施という異例の事態。学園が調べたところ、不自然なほど不正の証拠が出てこない。立候補者にはシノビである灯角碧がいることを知っている学園長は、不正防止のために外部からシノビを雇って選挙を監視させることにした。こうして羽鳥半蔵と泰星が青春学園にやって来た。

 学園長に呼び出された羽鳥半蔵と泰星は今回の任務についての説明と選挙との関わりの強い人物の説明を受ける。事件前の選挙には灯角碧・風紀委員長・体育会代表の3名が生徒会長に立候補していたものの、事件後には風紀委員長と体育会代表の2名が立候補を取り下げたこと、代わりに御影アキラと梅ノ木ハナの2名が立候補したこと、灯角碧は変わらず立候補し続けていることなどを説明される。
 一通りの説明を聞いた後、羽鳥半蔵は3年の生徒として、泰星は物理教師として学園に溶け込み任務を開始した。

 灯角碧は休み時間中にクラスメイトに話しかけられる。クラスメイトは今回の事件や再選挙に関するゴシップを楽しんでおり、最近拡まった裏生徒会の噂についてや、その会長であるらしい御影アキラ、さらに学園一の美少女と名高い梅ノ木ハナについて色々とあることないこと話している。そして、灯角碧に対しては負けそうになったから投票箱を燃やしたんじゃないかと冗談交じりに聞いてくる。さらに自分たちの票を買わないかと買収まで持ち掛けてくる。

灯角「ボクはそんなことはしていない。票を買うなんて卑怯なことをするつもりはない。正々堂々生徒会長になる。」

 真面目な答えを聞いた彼らは頑張ってくれと言い、でも俺らは梅ノ木ハナちゃんに投票するからと言って去っていく。

【メインフェイズ】
 校内でそれぞれ情報収集を始めた3人。あちこちで堂々と煙玉を使いまくる奇行からたちまち有名になった羽鳥半蔵は灯角碧と友誼を結ぶ。そして2人で前生徒会長の望月満を調べる。彼は一般人でありながら才能と努力と専用の装備によりシノビに匹敵する実力を持つ完全無欠な元生徒会長。彼は学園で暗躍する何者かの気配を察知し、1年の頃から学園の秩序を守るために奮闘してきた。しかし、学園を大事に思いつつも世代交代もまた必要と考え、今回の事件には最低限しか関わらないでおこうと考えている。

望月満「この2年間、私はこの学園で暗躍する何者かの陰謀と戦ってきた。灯角、お前も生徒会長に立候補しているからには気をつけるといい。」

 泰星は事件後に立候補を取り下げている体育会代表と風紀委員長に何か怪しいところを感じ、まずは体育会代表を調べることにした。一見普通そうな体育会代表は、実は御影アキラによって血徒(妖魔:吸血鬼の被害者)にさせられており、御影アキラの忠実な部下となっている。風紀委員長もまた同様の事態に陥っている。彼らは御影アキラに敵対的な行動を取る者を襲うつもりである。

 情報収集を続け、お互いの腹の内も探り合う3人。御影アキラが吸血鬼であり、崇拝する主のために学園の支配を目論んでいたことが判明する。前生徒会長の望月満によって陰謀を全て潰され消極的な活動しかしてこなかったが、主から成果報告を求められると慌てて大胆な行動に出た。生徒会選挙を妨害して延期させ、対立候補を蹴落として自分の意のままに操れる存在を立候補させることにしたのである。候補には学園一の美少女である梅ノ木ハナを選んだ。

御影アキラ「フハハハ、学園を支配するのはこの私だ。」

 そんな中、泰星は密かに御影アキラに接触する。

泰星「あのお方から遣わされたといえば分かって貰えるかな。」
御影アキラ「な!?この私を始末しに来たのか!そんなの嘘だ、完璧な私が切られるはずがない。いや待ってくれ、もう少しで良い報告ができるんだ、お願いだ。」
泰星「慌てなさるな。様子を見てくるよう言われただけですよ。という訳で敵ではないので部下の方にもよろしく伝えておいて下され。」

 ほっとした御影アキラはすぐに元気を取り戻し、共に頑張ろうではないかと言って去っていく。

 放課後、日も落ちるかといった頃に突然校舎裏に呼び出された3人。そこには体育会代表と風紀委員長がいた。明らかに異常な2人は、アキラ様の周りをこそこそ嗅ぎまわるネズミ野郎はここらでシメておく必要がある、と言って襲い掛かってくる。泰星に対しては攻撃しないように言われていると言って何もしてこない。羽鳥半蔵と灯角碧にそれなりのダメージを与えた2人は去っていく。

 情報収集を続ける3人。泰星によって灯角碧の秘密を知らされた御影アキラは、灯角を勧誘する。

御影アキラ「キミ、生徒会長になりたいんだろう?どうだい、私と手を組まないか?生徒会長になれるぞ。」
灯角碧「汚い手を使う人と手を組む気にはなれないかな。」
御影アキラ「まあまあ、いきなり言われても決められないだろう。なに、焦ることはない。もう一度じっくり考えてくれ。学園一の美少女を擁する我々の方が選挙戦は有利だということも忘れないでおくれよ。」

 その後、梅ノ木ハナが実は隠忍の血統の上忍であり、学園のある土地に梅の木を植えるために生徒会長になろうとしていることが分かる。人間に酷いことをされた過去から強い恨みと不信感を持つ彼女は自分の力しか信じていない。御影アキラのことも正体を知ったうえで利用してやろうと考えており、自分以外の存在が生徒会長になることは許さないつもりである。

御影アキラ「な!?こんなの聞いてないぞ。灯角君と協力するプランにすんなり行けないじゃないか。どうする。そうだ勝った方を取り込めばいいんだ。漁夫の利作戦、完璧じゃないか。」

 梅ノ木ハナの秘密を知った灯角碧は、斜歯の力で彼女に一撃を食らわせた。おでこに傷をつけられた梅ノ木ハナは、灯角碧に対し並々ならぬ敵愾心を抱いた。

 放課後、今度は風紀委員長が羽鳥半蔵と灯角碧に襲い掛かってくる。

風紀委員長「あなた達程度、私だけで十分よ。」
羽鳥半蔵「拙者をなめるなでござる。」

 今度はあっさりと撃退することに成功。

【クライマックスフェイズ】
 最後の情報収集をしたり休息をとったりした後、選挙2日前の放課後遅くに学園長に体育館に呼び出される。しかし、そこにいたのは御影アキラであった。関係者も全員集められている。

御影アキラ「まどろっこしいことはもうやめだ。灯角君、梅ノ木君、ここらで決着をつけてくれ。勝った方と手を組ませてもらおうじゃないか。私は、我々の命を狙う羽鳥半蔵を倒しておく。」
羽鳥半蔵「この学園の支配を目論む妖魔、鞍馬のシノビとして討伐するでござる。」
泰星「アキラさん、本当にいいんですか。まあ貴方がいいというのなら構いませんがね。主を失望させるような真似だけはしないでくださいよ。」
灯角碧「面倒だな、とにかく梅ノ木さんには負けないようにしないと。」
梅ノ木ハナ「生徒会長になるのももちろん大事だけど、灯角碧、何よりこの傷の借りを返させてもらうわ。」

 体育館の近くで介入すべきか迷っていた望月満を羽鳥半蔵が呼び出す。

羽鳥半蔵「やつがすべての元凶でござる!」
望月満「御影アキラ、お前だったか。この学園を荒らすことは許さん。」

 数的有利を活かして余裕の動きを見せる御影アキラと泰星、吸血鬼は許さないと御影アキラを執拗に狙う羽鳥半蔵、対立候補の梅ノ木ハナを攻撃する灯角碧、全て倒せば問題ないとばかりに暴れまわる梅ノ木ハナ、すべての元凶である御影アキラを必死に攻撃する望月満、御影アキラの敵に一太刀でも多く浴びせようとする風紀委員長と体育会代表。
 激戦の末、勝ったのは御影アキラの陣営。灯角碧も梅ノ木ハナを倒すことに成功した。灯角碧は御影アキラの指示に従う代わりに生徒会長になるという話を受け入れた。

【エンディング】
 後日、生徒会選挙では梅ノ木ハナが怪我による長期入院のため立候補を取り下げ、討論会では御影アキラが灯角碧にボロクソに論破されて敗退。灯角碧が生徒会長になった。学園長も表向きは選挙が無事に終わったので喜んでいた。

 妖魔討伐のために青春学園に来ていた羽鳥半蔵は、上司に対して任務の失敗を報告した。妖魔だけでなく隠忍の上忍までいたことを知った上司は特に咎めることもなく、彼の失敗を許した。

 崇拝する主から、御影アキラの監視と協力、そして彼の動向を詳細に報告することを求められていた泰星は、主に事細かに報告した。御影アキラの小物臭い動きをいたく気に入っている主は今回の件に非常に満足し、泰星に休暇を与えた。

 とにかく生徒会長になりたかった灯角碧は夢を叶えることに成功した。実際には裏で御影アキラの指示を受けなければいけないが、表向きはちゃんとした生徒会長であり、生徒たちからは羨望の眼差しを受けている。学園内に監視カメラや盗聴器をしかけさせられるなど、不本意なことは幾つかあるものの現状には満足している。

【GMの感想】
 御影アキラのどうしようもない小物ムーブが楽しかった。格も下げ切ればそれはそれでボスとしての個性になるんだということを実感した。
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やべーやつが村に来た

やべー奴が村に来た
GM:五月の黒いうさぎ
システム:新クトゥルフ神話TRPG

探索者たちは京都府北部の山村、美川村の住人である。元は寂れた村だったが、地域おこしが盛んであり新規移住者も増えている。さらに村おこしの一環として、試験的に村全体を5Gエリアにする計画まで進行中である。そんな中、村にある夫婦が引っ越してくるが、彼らはどうにも様子がおかしく……

PC紹介
PC1:小間沢洋介 27歳 男 最近村に来た若手農家
PC2:茂田源治 69歳 男 ハイテク農業ジジイ
PC3:源須流歌 31歳 女 村の電気修理屋
PC4:野高武夫 42歳 男 派遣されてきた技術者

 5Gエリアの実装まで残り数日を切ったある日、美川村で農業を営む小間沢と茂田の二人の元に、農家仲間の酒井という男が訪ねてくる。最近越してきた夫婦、丸内夫妻のことで相談があるという。彼らはどうやらジャガイモを作ろうとしているようだが、「無農薬・自然農法」にこだわっており農薬を一切使っておらず、そのくせまともな知識もなく育てられていないという。
 見かねた他の農家が助言をしようにも、話が通じず取り合ってくれない。しかしそうは言っても、病気や虫に発生されては他の農家も困るので、一度小間沢や茂田も一緒に来て彼らに注意してくれないか、という話だった。一行は翌日彼らが村民会館で開くらしいサロンに行って注意する事になった。

 一方その頃、源と野高は従事していた5Gエリア構築の作業も大方終了し、後は来週の実装を待つだけという段階になって村役場の人から相談を受ける。どうやら丸内夫妻という人たちが何度も5G反対と苦情を入れてきており、なんとか工事は終了したもののこのままでは来週の実施に影響が出かねないというものだった。二人は彼ら夫妻に対して説明を行うためにサロンへ行くこととなった。

 当日、村民会館の前で合流した探索者たちは丸内夫妻のサロンの元へと向かったが、何を言っても彼らは話を聞き入れなかった。数人はどうやら反コロナ派のようでありマスクすらしていなかった。小間沢と茂田が、夫妻の紹介していた「自然農法」を謳う農法の間違いを指摘するが、彼らは自分たちが間違っているわけがない、自分たちのことが認められないから嫌がらせをするんだろうとまともに話すら通じない。そんな中、探索者たちは彼らが育てているというジャガイモの種芋に目がとまった。夫妻はそれを「宇宙からの力が秘められた芋だ、なんかミゴさんとかいう人からもらったんだ」と言っていたが、それは既存のどのジャガイモとも違う品種である事が理解できた。

 もはや相互理解は不可能だという結論に達した探索者たちが帰ってから数日後、ある朝探索者たちが目覚めると村全体が濃霧に包まれており、電波や電気が全て遮断されている事に気がついた。慌てて外に出ようとする探索者たちだったが、ふと彼らの心の中に「ここを離れたくない
」「家の中にいたい」という考えが湧き上がった。
 探索者たちが無理矢理に外へ出ると、そこは10m先も見えないほどの濃霧と、歪に成長していた植物を目にした。合流した探索者たちはなんとか村の外へと出ようとするが、再び探索者たちの心の中に「村から離れたくない」という強い思いが湧き上がった。茂田と野高がその思いに打ち勝ち、村の外へと車で出ようとしたが濃霧の中を走っているうちに再び元の村の入り口に辿り着いてしまった。そして霧の中に、巨大な甲殻類と羽虫の混ざりあったような生物のシルエットを発見してしまった。

 村の外へと出られないことが分かった探索者達が村へと戻ると、憔悴仕切った丸内の夫が現れた。「あなた達、なんなんだこれは!」「妻をどうしたんだ!そうか、そうか僕たちが邪魔になったのか!」「早く逃げないと、ヒャハハハ…」と、とても正気ではない様子でどこかへと走り去ってしまった。不審に思った探索者達が丸内夫妻の家に向かうと、先日まではそれなりに生えていたはずの畑のジャガイモが全て消え去っていた。家の中を探索するうちに、夫妻の寝室で妻の死体を発見した。その死体は、先日までの若々しい姿とは打って変わって全身が灰色に萎び、ひどい皺とひび割れに覆われた姿だった。

 さらに探索を続けると、夫のものと思われる手記を発見した。内容は、村に来る前にある人からジャガイモの種芋を分けてもらったという事、そして育てているうちに突然全て枯れてしまった事が書かれていた。源と野高はそれを読んで、ジャガイモが枯れた日が5G電波を試験的に発した日だという事に気がついた。また、夫妻が以前紹介していた種芋の説明書を発見したがそこには一定の周波数帯の電波に弱いので気をつけるようにと書かれていた。

 夫妻の家を後にした探索者達は村の役場の職員から、電波障害が起こっており電波基地局の様子がどうにもおかしい、詳しい源と野高が行って調査を頼みたいと言われる。村外縁部の基地局へ向かおうとする探索者達だったが、途中でますます霧が濃くなっていった。車では危険と判断した探索者達は途中から徒歩で向かうが、やがて基地局の側にたどり着くとオゾンの匂いとともに霧の中に無数に輝く光に遭遇した。それは明らかにこの地球の存在ではなかった。物質的な物ではなく、しかし明らかにそこに存在する何かであった。

 謎の異常存在に体力を吸われながらも、電波基地局の内部に入り込んだ探索者達は、一部損傷した機械を迅速に修理し、5G電波の発信に成功した。その途端、窓の外の霧が段々と晴れていき、やがて村は元の姿を取り戻した。
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ハーラン・エリスンへ

システム:パイレーツ!WILDWEST GM:初代ボブ

●システム紹介
パイレーツ!の追加オプションシステム。
アメリカ西部開拓時代の荒野を生きる男たちが主役。

●PC紹介
PC1 ダグラス・モーティマー 男 38歳 (PL:bluehorse)
妻を寝取られたバツイチ。女ってのは信用ならねぇ。
PC2 リー 男 25歳 (PL:へんでろぱ)
中国人脱走労働者。母から授かった刀を手にガンマン蔓延る西部を生きる。
PC3 イワン・スミス 男 21歳 (PL:ストライプ)
親の借金を返す苦労人。返済が終わったら田舎で静かに暮らしたい。
PC4 ヘクター・レイノルズ 男 28歳 (PL:にかわ)
元雑貨屋スリルジャンキー。銃弾が頭をかすめる瞬間こそ至高。


●本文
【憎む町】
 南北戦争が終わって半年、彼の悪名高き賞金首ドレッド・ドレッドソンを追って4人の賞金稼ぎチームがポートダルの街を訪れる。到着した彼らを迎えたのは女子供老人しかいない寂れた町と、人々の冷ややかな視線だった。一行が首をかしげていると、突如ならず者二人が街を襲撃する。これを難なく撃退した一行は、先ほどとはうって変わって態度を軟化させた街の人々に“英雄”として歓迎されるのだった。
 街の人々によると先ほどのならず者は南北戦争の敗残兵たちであり、戦争で女子供老人ばかりとなったこの街にやってきては好き勝手を働いているのだという。
拠点の位置を吐かせるためにこの街唯一の保安官は捕らえた二人の男を保安官事務所の拷問室へと引っ張っていく。ドレッドの情報が何か聞けるかもしれないと踏んだ四人はこれに同行した。

 拷問部屋では保安官によって男たちが無慈悲な暴力を振るわれていた。その苛烈さとは対照的に、保安官の表情は一切の感情を消し去ったかのようだった。リーとヘクターがその様子を静観する一方、ダグラスは保安官には目もくれず、物珍しそうに拷問器具を眺めている。荒事を好まないイワンはいたたまれなくなって早々に酒場へと引き返していった。
 拷問は時間の経過とともに激しさを増していく。傍観者を決め込んでいたはずの二人がそれとなく保安官を宥めるが、彼はその手を緩めようとしない。ついにヘクターも耐えかねてその場を後にしようとしたとき、下っ端が泣き叫びながらアジトの場所とそこの装備であるガトリングガンについて明かした。ドレッドの情報ではなかったが、とりあえずの拷問の成果を得られたという事で、血に染まった保安官を残してダグラスを引き連れた二人は足早に拷問部屋を後にする。

 一足先に酒場に戻っていたイワンは街の人々に“英雄”としてはやし立てられていた。どうやら今日の夜、彼らのおごりで歓迎の宴を開いてくれるらしい。ドレッドの情報が得られないかという打算のもとイワンは世間話に参加する。すると、賊の頭領がどうやらドレッドであるらしいという事が判明した。他にも何か情報はないかと先ほどの賊についての話をしていると、突然老人が騒ぎ出した。
「あいつらもクズだが、ジェームズはとんでもないクズなんじゃあ!」
「おい、爺さん。そいつの名前を出すんじゃねぇ。」
 酒場の主人は苦々しい顔をして老人をたしなめる。
 前触れなく現れた“ジェームズ”という名前について町民に尋ねるイワンだったが、みな一様にその詳細を話そうとはしない。何を聞いても暗い表情を深めるばかりだ。イワンは茶を濁して宿として与えられた酒場上階の部屋へと引き上げるしかなかった。

【裏切り者ジェームズ】
 イワンが与えられた部屋でくつろいでいると、保安官の拷問を見守っていた三人が引き揚げてきた。町民との世間話の内容を共有したのち、彼らは酒場での宴へ向かう。そこには昼間姿を見せなかった人々も集まり、相変わらず女子供老人だけではあるが、それなりに賑わっていた。宴が盛り上がってくると、酒場のマスターが拷問に立ち会っていた三人に尋ねる。
「それで、あいつらの拠点はいったいどこにあるんだ?あのクズども、やっぱり口を割ったんだろう?」
 四人は子供たちに聞かれないよう外に出したうえで、残党たちの拠点の場所を町民たちに告げ、同時にそこに向かって彼らを蹴散らすつもりだという事を伝えた。それを聞いた町民たちは沸き立ち、ため込んだ賊への恨みと罵倒を口々に叫ぶ。それに混ざって、昼間イワンと話していた老人の声が響いた。
「あいつらもクズだが、ジェームズはそれ以上にクズなんじゃあ!」
 老人の言葉に、盛り上がっていたはずの人々は途端に沈んだ様子を見せる。唇をかみしめ、こぶしを握り、その話をするなと老人に諭す。
 イワンが酔いつぶれた老人を外に連れ出すが、白け切ってしまった酒場はとても宴を続けるような雰囲気ではなく、残った人々も続々とその場を後にした。酒場に残ったヘクターがマスターにジェームスという人物について尋ねるが、やはりはぐらかされるばかりだった。

 一方そのころ、イワンは道端で泥酔した件の老人を介抱していた。
「で、ジィさん。そのジェームスってやつは結局誰なんだ?」
 その話をするのを頑なに拒む町人は今一人もいない。イワンに促されるままに老人は、ぽつり、ぽつりと語りだした。
 昔のこの村はどこにでもある普通の村で、今のように女子供老人だけというわけではなかった。状況が一変したのは先の南北戦争からだ。徴兵されたこの村の男たちは、情報部隊に配属された一人を除いて、皆同じ部隊に配属されていた。情報部隊の男はその後運悪く敵の捕虜となり、拷問の末に同郷の男たちが所属していた部隊を壊滅に追い込む情報を提供してしまった。この情報部隊の男こそがジェームズだったのだ。町の人々は皆ジェームスを恨んでいるのだ。自分の夫を、息子を、父を殺したのはジェームズだと。
 
 イワンがこの村の真実を知る少し前、酒場の路地に面した裏口では、店主の怒号が響いていた。ぼろ布をまとった老婆が残飯をあさりにやってきていたのだ。振り上げられた店主の右腕を前にして、老婆はしわがれた悲鳴を上げる。あまりに哀れなその姿に、リーとヘクターは店主を宥め、自分たちに免じて彼女を見逃してほしいと頼み込む。しぶしぶといった様子で店主はそれに応じ、老婆は逃げるようにその場を去っていった。

 老人を送り届けたイワンは、その帰り道、昼間宿の窓から見て興味を引かれていた町はずれの洞穴へと訪れた。洞穴の中からは異臭が漂い、その入り口には腹を開かれたネズミが転がっていた。明らかに何か生き物の気配がする。イワンが洞穴に向かって声をかければ、その奥からおびえた様子の老婆が現れた。それは先刻酒場にて罵られていた老婆だった。
こんな場所に人がいることを不思議に思ったイワンが訳を聞けば、なんと老婆はあのジェームズの母親で、息子を恨む町の人々によって村八分にされているのだという。
 夫はすでに村から逃げ出し、身寄りも、この街を出るすべすらないと語る老女は、「せめても」と自分の息子の名誉の戦死を望むほどに追い込まれていた。不憫に思ったイワンは、自分が依頼を果たしてこの街を出るときには彼女を連れていくと約束した。

【ならず者討伐】
 翌日、保安官の協力のもと装備を整えた賞金稼ぎ一行は意気揚々と賊のアジトへと向かった。
聞いていた通り、ドレッド・ドレッドソンをリーダーとした14人の盗賊たちが町の近くにガトリングガンを備え付けたアジトを構えていた。
 イワンとヘクターはライフル片手に遠距離から敵をひきつけ、その間にダグラスが近接戦闘を得意とする青龍刀使いのリーを自慢の名馬に乗せて、ガトリングガンへと迫る。
 万全を期したはずの戦闘だった。しかし、彼らは14という数を見くびりすぎていた。最初こそ何人かの賊を倒し善戦していたが、やがてヘクターとリーが相手の銃弾を喰らい、意識を失った。ダグラスもかなりの重傷だ。何とか抵抗を続けるイワンへ頭領であるドレッド・ドレッドソンが痛み分けという形での決着を申し出た。これを受け入れ、一行は命からがら町へと帰ることとなった。
 この時回収できなかったリーの青龍刀は、母親の形見だった。

【帰還】
 戻ってきた一行を街の人々は広場にて歓声とともに出迎えるが、賊の砦で起こったことを説明すれば、困惑と失望の表情を浮かべた。広場にいる誰もが言い淀んでいたその時、一人の松葉杖の男が現れる。左足首から先を失ったこの男こそ、街の裏切り者ジェームズだった。
町の人々は先ほどまでのやり取りを忘れたかのように、ジェームズに恨みのこもった視線を向ける。しかし、ジェームズはそれに対して何も気が付いていない様子だ。今にも手を出しそうな村人たちをイワンが「最後くらい母親に会わせてやってもいいだろ。」と説得し、何とかジェームズを広場から連れ出した。
村人たちの目から逃れると、一行は町の人々の本当の思惑をジェームズに伝える。真実を知ったジェームズは、一行と共にこの町を出ることを決断した。この街に戻ってきたのも自分の母親のためで、彼女もいっしょに連れて行ってくれるのならば思い残すことは無いのだという。
 ジェームズを送り届ける道中、ヘクターは面倒ごとに首を突っ込むものではないとイワンに諭す。リーもそれに同調するが、イワンは引かなかった。
「イワンがいなかったら賊との戦いで死んでいた。どうせ拾った命だ。君の選択にしたがうよ。」
 ヘクターのその言葉をきっかけに、四人の目的は一つになった。

 ジェームズの母親のいる洞窟にたどり着いてその奥へ声をかければ、老女が顔を出し、ジェームズを見て目を丸くした。みすぼらしいその姿を見て駆け寄り、いたわりの言葉をかけるジェームズとは対照的に、老女は激昂する。
「お前さえ裏切らなければ!お前さえいなければ!私がこんな目に遭うことは無かった!」
「お前が死ねば私はまた街に受け入れてもらえる!死ね!お前が全部悪いんだ!死ね!死―ね!死―ね!死―ね!」
ジェームスは失った自分の左足を見つめて立ち尽くす。毒々しい模様の黒い蛇がその足元に纏わりつく。その時、こわばったジェームズの腕をイワンがつかみ、半ば無理矢理に洞穴の外へと連れだした。蛇はするりと洞穴の暗闇に溶けていった。
 外へ出た彼らを待ち受けていたのは銃を抱えた町の人々だった。その眼には老婆と同じく憎しみの色が宿っている。
「そいつを置いて行ってくれ。あんたたちは一度とはいえ賊からここを守ってくれた。手荒なことはしたくない。」
 賊を拷問していた時と同じく無表情な保安官が、銃を向けながら一行を説得する。
「本当にみんなのことを思っているのならば、拷問なんかには負けない。」
「自分だったらそんなことはしない。」
 町民たちは心無い言葉をジェームズに投げかけ始めた。ジェームズはただ自分の失った左足を見つめている。果たしてこの中に同じ状況で彼よりも立派に行動できる人間は、何人いただろうか。黒い蛇が再び現れ、ジェームズの足元でとぐろを巻いた。
 銃口を突きつけられ、5人は立ち尽くす。しかしその時、ダグラスだけが一歩前に進み出た。
「こいつは全くの他人に違いないけどなぁ、俺には信頼していた奴に裏切られる気持ちってのはよぉくわかる。」
「このセリフ、一回くらいは言ってみたかったんだ……ここは俺に任せて先にいけぇ!」
 その言葉に背中を託し、一行は馬に飛び乗る。馬をうまく操れないジェームズはイワンの後ろに乗せられた。彼の足元にいたはずの蛇はいつも間にか姿を消していた。
 ダグラスが何とか足止めをしているが、それでもいくつもの銃弾が馬上の彼らに向かってくる。そのうちの一つが、ヘクターに命中した。それを放ったのは狂気に侵された保安官か、酒を酌み交わして一晩の宿を貸してくれた酒場の主人か、それとも一行を英雄と慕った少年か。命知らずの賞金稼ぎは今、善良な町民が放った一発の弾丸に倒れた。
 残されたリー、イワン、ジェームズは必死に馬を急かし、町を脱出した。
「どうして俺を助けたんですか?」
「俺は、この仕事が終わったら、賞金稼ぎからは足を洗ってまっとうに、普通に生きようと思ってたんだ。でもここであんたを見捨てたら、もう胸を張って生きることはできない気がした。」
「まぁ、2人も仲間を死なせているんじゃ、もうどっちの選択があってたんだかわかんねぇけどな。」
 荒野を二頭の馬が駆けていく。
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驚愕! 地球は狙われていた!! 

システム:クトゥルフの呼び声 GM:サンダビーダ

システム:クトゥルフの呼び声(七版)

四月三日に開催された新歓セッションのセッションレポートをお届けします。
今年四月分のブログ更新となりますが、交信が停止していた半年間のブログは随時更新される予定ですのでご期待ください。


CoC7版シナリオ『驚愕! 地球は狙われていた!!』
KP:サンダビーダ

【シナリオ概要】
某大学底辺オカルトサークルの四人のもとへ高校時代の友人「介良 甲児(けら こうじ)」からのタレコミがあった。最近、彼の地元にUFOや宇宙人が出るのだという。ある者は興味を惹かれ、ある者は旧交を温めるために、介良の待つ網羽生町へと赴く。

【探索者紹介】
 探索者は高校来の友人で、NPC「介良 甲児」と仲が良い。
探索者①:小鳥遊 ことり、ストーカー撃退読モ大学生(@新入生)
探索者②:生田 優一、とてもサイコパス蛇男(@ストライプ)
探索者③:山形 弘樹、のほほんカメラマン必殺仕事人(@百舌)
探索者④:式守 伊蔵、スーパーミリオタ運転手(@マソバソアソ)

【シナリオの導入】
 夏休みのとある日、仲良し五人組のLINEグループに介良から写真が届く。そこには「まさにUFO」と言わんばかりの未確認な飛行物体が映っていた。写真に詳しい小鳥遊や山形が調べるも合成かどうかはわからなかった。介良が続けて言うには、町の人間の多くが宇宙人を見たらしい。普段嘘なんて吐かない人もいたということで、探索者たちは真偽を確かめるために介良の地元「網羽生町」へと向かう。
 事前に調べたところ、町自体が有名ではないせいか、大した情報は見つからなかった。わずかな噂がささやかれているだけで、これを調べるには現地に行くしかなさそうである。
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皮田村

システム:クトゥルフ神話TRPG GM:みかん箱

1月9日に行われたセッションのレポートです。

クトゥルフ神話TRPGとは



【キャラクター紹介】
PC紹介
PC1: 古川 蘭 PL:hino
PC2:安田 雄一 PL:阪大Aさん
PC3: 飯田 咲良 PL:阪大Kさん
PC4: 手戸 仁愛 PL:阪大Yさん
PC5:二階堂 古波津 PL:阪大Tさん
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Chris・must・die!

システム:サタスペ GM:近大キワダさん

12/27に行われた近大交流セッションのレポートです。


◆PC紹介
PC1 クリス・ザンギエヴァ
PC2 クリス・クリス
PC3 駆栗鼠
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